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アブラナ科野菜と全死亡リスク・がん死亡リスクとの関連

アブラナ科野菜と全死亡リスク・がん死亡リスクとの関連

千切り、すりおろしなどで「生」で食べるのがコツ

アブラナ科野菜にはイソチオシアネートのほか、抗酸化性ビタミンが多く含まれており、これらの抗炎症作用や抗酸化作用が死亡リスクの低下に寄与している可能性が考えられます。また、男性のがん死亡においては、特に喫煙者でアブラナ科野菜摂取量が多いほど死亡リスクが低下することが示されました。これは、たばこに含まれる発がん性物質前駆体の活性化が抑制されていることが一因と考えられます。

詳しいことはまだわかっていませんが、これらの野菜にはイソチオシアネートだけでなく、ビタミンやミネラル、食物繊維といった、健康を維持するうえで大切な栄養素も豊富に含まれていますので、旬の時期(主に冬)に積極的にとるようにしましょう。

イソチオシアネートを効率よく摂取するには、千切りにしたり、すりおろしたりして食べるのがおすすめです。なぜなら、イソチオシアネートは切る、する、つぶすなど、野菜の細胞が壊れたときに作られるからです。食べるときもよく噛んで食べるようにしましょう。また、熱を加えると酵素が活性を失ってしまうため、生食が可能なものは、できるだけ生のままで食べるとなおよいでしょう。

津金 昌一郎

監修者 津金 昌一郎 先生 国立がん研究センター 社会と健康研究センター長
1981年慶應義塾大学医学部卒、85年同大学大学院修了。86年より国立がんセンター研究所入所。臨床疫学研究部長などを経て、2003年に同センターがん予防・検診研究センター予防研究部長に就任。その間に米国ハーバード公衆衛生大学院客員研究員を務める。2010年に国立がんセンターの独立行政法人への移行に伴い、国立がん研究センター予防研究部長に就任。2013年から現職。1990年にスタートした国立がん研究センターがん研究開発費による研究班(2009年度までは、厚生労働省がん研究助成金による研究班)による大規模疫学研究である多目的コホート研究の主任研究者を務める。2010年朝日がん大賞、2014年高松宮妃癌研究基金学術賞などを受賞。一般向けの主な書著に『科学的根拠にもとづく最新がん予防法』『がんになる人ならない人』『ボリビアにおける日本人移住者の環境と健康』『なぜ、「がん」になるのか?その予防法教えます。』『食べものとがん~がんを遠ざける食生活~』などがある。昭和大学、山形大学客員教授、日本疫学会理事、日本癌学会評議員などを兼務。