緑茶には胃がん予防の可能性がある?
緑茶は、世代を問わず多くの日本人に飲まれていますが、緑茶を摂取することにより、女性では胃がんリスク低下の可能性があることがわかりました。ただし、胃がんを予防するには、リスク因子をできるだけ減らすことが大前提です。国立がん研究センターが作成した「胃がんリスクチェック」も活用し、生活習慣の改善に努めましょう。
女性ではリスク低下の可能性あり
古くから日本人にとってなじみ深い緑茶。食事の後に、あるいはホッと一息つきたいときなど、1日に数杯飲むという人も少なくないでしょう。それくらい緑茶は私たちにとって身近な飲み物であるため、がんとの関係も気になるところです。
緑茶には特有の苦みや渋みがありますが、そのもととなっている成分がカテキンです。カテキンはポリフェノールの一種で、強力な抗酸化作用をもつほか、がん細胞の増殖を抑える働きもあります。そのため、これまでにも複数の研究などにより、緑茶はがんのリスクを低下させる可能性があることが示唆されてきました。しかし、「エビデンスは大変限られており、はっきりとした結論は出すことはできない」とされていました。
そこで、国立がん研究センターでは、複数の疫学研究の結果をもとに、日本人における緑茶摂取と胃がんリスクとの関係を評価しました。それによると、女性では緑茶の摂取が胃がんリスクを低下させる可能性がある、という結論となりました。一方、男性では緑茶と胃がんリスクの関連を示す十分なエビデンスは得られませんでした(国立がん研究センター 社会と健康研究センター 科学的根拠に基づくがんリスク評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究「緑茶と胃がんリスク」)。