がん検診にはデメリットもあると理解し、正しい知識のもとに選択を
5つのがん検診は定期的に受診を。予防には生活習慣の改善が不可欠
そもそもがん検診の目的は、単にがんを見つけることだけではなく、がんを早期に発見して適切な治療を行い、がんによる死亡率を低下させることです。そこで、国は科学的な方法により、各がん検診の効果を評価しています。その結果、現時点で死亡率低下が認められているがん検診は、胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がんの5つです。
これら5つのがん検診は、メリットがデメリットを上回り、有効性があるとして国の指針で定められている検診です。それぞれ対象となる人の年齢が定められているので、対象の年齢になったら、定期的に検診を受診することが大切です。そして、検診で要精密検査と判定された場合には、放置せず、必ず精密検査を受けるようにしましょう。
そして、何よりも肝に銘じておきたいのは、がんの最大の予防法は生活習慣の改善だということです。なかでも、禁煙、節酒、バランスの良い食事、減塩、適度な運動、適正体重の維持は、がんの予防には欠かせません。これらの生活習慣を心がけつつ、有効性が認められているがん検診は定期的に受ける──これが今考えられるがん予防の最善策だということを心得ておきましょう。