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感染症によって起こるがんは、日本人のがんの何割?

感染症によって起こるがんは、日本人のがんの何割?

検査で感染の有無を確認。女性は20歳を過ぎたら定期的に子宮頸がん検診を

このように、肝がん、胃がん、子宮頸がんは、ウイルスや細菌への感染が大きなリスク要因となることが明らかになっており、これらへの感染を防ぐことががんの予防につながります。

肝がんについては、肝炎ウイルスに感染していても、多くの場合は自覚症状がほとんどみられないため、地域の保健所や医療機関などで、一度は肝炎ウイルスの検査を受けることがすすめられます。

胃がんの原因となるピロリ菌は、除菌することにより胃がんの発生リスクを下げることが期待できます。機会があればピロリ菌の検査を受け、感染している場合は生活習慣を改善するとともに、除菌について主治医に相談するようにしましょう。

子宮頸がんについては、HPVに対する複数のワクチンが開発されており、日本でも承認されています。また、子宮頸がんは若い世代で増加傾向にあることから、国は20歳以上の女性を対象に2年に1回、子宮頸がん検診を受診することを推奨しています。

以上のように、感染症が原因のがんの一部は、病原体への感染を予防することでリスクをなくしたり、低減することができます。あわせて、「禁煙」「節酒」「食生活の見直し」などの生活習慣の改善が、がん予防には大切です。

津金 昌一郎

監修者 津金 昌一郎 先生 国立がん研究センター 社会と健康研究センター長
1981年慶應義塾大学医学部卒、85年同大学大学院修了。86年より国立がんセンター研究所入所。臨床疫学研究部長などを経て、2003年に同センターがん予防・検診研究センター予防研究部長に就任。その間に米国ハーバード公衆衛生大学院客員研究員を務める。2010年に国立がんセンターの独立行政法人への移行に伴い、国立がん研究センター予防研究部長に就任。2013年から現職。1990年にスタートした国立がん研究センターがん研究開発費による研究班(2009年度までは、厚生労働省がん研究助成金による研究班)による大規模疫学研究である多目的コホート研究の主任研究者を務める。2010年朝日がん大賞、2014年高松宮妃癌研究基金学術賞などを受賞。一般向けの主な書著に『科学的根拠にもとづく最新がん予防法』『がんになる人ならない人』『ボリビアにおける日本人移住者の環境と健康』『なぜ、「がん」になるのか?その予防法教えます。』『食べものとがん~がんを遠ざける食生活~』などがある。昭和大学、山形大学客員教授、日本疫学会理事、日本癌学会評議員などを兼務。