文字サイズ

「全国がん登録」は何のために行われている?

「全国がん登録」は何のために行われている?

医療向上、確実な予防・検診を進めるうえで重要な役割を担う

「全国がん登録」で集められたデータは、統計の専門家によって分析が行われます。これにより、がん罹患数やがん罹患率、生存率(がんになってからある一定の期間経過した人たちが、どのくらい生存しているか)、治療効果などを把握することができます。市町村から国に集められる死亡情報も紐づけられ、がんの治療を受けた人の生存状況や治療の効果が正確にわかるようになります。また、これらのデータと他のデータを組み合わせて分析することにより、がんの原因、効果のあるがん予防法、がん検診や治療法の有効性、がん診療病院や医療者が不足している地域はないか、といったことも可視化できるのです。

このように、「全国がん登録」で得られた情報は、がん医療向上や確実ながん予防・がん検診を進めていくうえで、非常に重要かつ中心的な役割を果たしています。なお、「全国がん登録」のデータをもとに得られた最新の統計情報は、国立がん研究センターがん対策情報センターのウェブサイト「がん登録・統計」で随時公開していますので、ぜひ参考にしてください。

津金 昌一郎

監修者 津金 昌一郎 先生 国立がん研究センター 社会と健康研究センター長
1981年慶應義塾大学医学部卒、85年同大学大学院修了。86年より国立がんセンター研究所入所。臨床疫学研究部長などを経て、2003年に同センターがん予防・検診研究センター予防研究部長に就任。その間に米国ハーバード公衆衛生大学院客員研究員を務める。2010年に国立がんセンターの独立行政法人への移行に伴い、国立がん研究センター予防研究部長に就任。2013年から現職。1990年にスタートした国立がん研究センターがん研究開発費による研究班(2009年度までは、厚生労働省がん研究助成金による研究班)による大規模疫学研究である多目的コホート研究の主任研究者を務める。2010年朝日がん大賞、2014年高松宮妃癌研究基金学術賞などを受賞。一般向けの主な書著に『科学的根拠にもとづく最新がん予防法』『がんになる人ならない人』『ボリビアにおける日本人移住者の環境と健康』『なぜ、「がん」になるのか?その予防法教えます。』『食べものとがん~がんを遠ざける食生活~』などがある。昭和大学、山形大学客員教授、日本疫学会理事、日本癌学会評議員などを兼務。