ピロリ菌を除菌すれば胃がんは防げる?
ピロリ菌の除菌に加え、生活習慣の改善が大切
ピロリ菌感染の有無を調べる検査は、内科や消化器内科などで受けることができます。あらかじめ内視鏡検査などで胃炎が確認されている場合は、ピロリ菌検査は保険適用となります。機会があればピロリ菌の検査を受けて、陽性となった場合は除菌治療によって、胃がんのリスクを減らすことができます。
ただし、除菌治療を受けたとしても、胃がんを完全に予防できるわけではありません。ピロリ菌への持続感染が胃がんの最大リスク要因ではありますが、それ以外にも、胃がんの発生にはさまざまな生活習慣が関係しています。たとえば、塩分のとり過ぎ、喫煙、野菜や果物の摂取不足などは、胃がんのリスクを高めることが明らかになっています。なかでも塩分、とくに塩蔵食品(明太子、いくら、塩辛、干物など、多量の塩により長期保存できるようにした食品)のとり過ぎは要注意です。塩蔵食品は非常に塩分が濃いため、胃粘膜を傷つけ、防御力を低下させます。その結果、胃酸やピロリ菌の持続感染によるダメージを受けやすくなり、胃がんリスクを高めることになります。ピロリ菌を除菌したからといって油断せず、胃がんリスクにつながるような生活習慣があれば改めるようにすることが大切です。