死亡数第1位の肺がん! 喫煙者は禁煙外来も積極的に活用を
禁煙外来も積極的に活用を
このように、たばこは肺がんの最大の危険因子ですが、禁煙することにより確実にリスクを下げることができます。たばこを吸わない人の肺がん発症リスクを1とすると、喫煙者のリスクは約4.5倍ですが、禁煙して1~9年で約3.0倍、10~19年で1.8倍まで下がり、20年以上経過すれば非喫煙者と同程度までリスクを下げることができます。
自分の意志だけで禁煙することが難しい場合は、ぜひ禁煙外来を受診しましょう。禁煙外来では、貼り薬やのみ薬の禁煙補助薬を用いたり、医師や看護師による禁煙指導を受けたりすることで、禁煙が成功しやすくなります。
最近は、禁煙治療法の選択肢や保険適用の幅も広がっています。そのうちの1つが、2020年12月から保険診療として禁煙外来で処方されるようになった「禁煙治療用アプリ及びCOチェッカー」です。これは、スマートフォンにインストールして使用するアプリと、呼気中の一酸化炭素濃度を測定できる専用の機器を組み合わせて行うものです。禁煙の効果が数値で見える化されるためモチベーションが上がるほか、チャットでアドバイスや励ましのメッセージを受け取ることができ、また、外来診療終了後も3カ月間はサポートしてくれるので、禁煙の成功率が高くなります。
禁煙を始めるのに遅すぎるということはなく、早く始めるほど肺がんの予防効果は高まります。喫煙者は1日も早く禁煙し、非喫煙者は受動喫煙を徹底して避けるようにしましょう。