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閉経以降に急増! 肥満の人は罹患リスクが高い子宮体がん

閉経以降に急増! 肥満の人は罹患リスクが高い子宮体がん

子宮に発生するがんのうち、近年増加しているのが子宮体がんです。罹患率は閉経以降で急増するため、50~60代の人は要注意。また、肥満もリスク因子となるので、適正体重をオーバーしている人は、子宮体がんを予防するためにも、食事や運動で減量するようにしましょう。

子宮体がんの罹患率は50代後半がピーク

子宮は、膣につながる筒状の「子宮頸部」と、その上部にある袋状の「子宮体部」に分けられ、子宮頸部に発生するがんを子宮頸がん、子宮体部に発生するがんを子宮体がん、または子宮内膜がんと呼びます。

一般的に行われる子宮がん検診で見つかるのは子宮頸がんですが、部位別にがんの罹患数(新たにがんと診断される人の数)を調べてみると、子宮頸がんよりも子宮体がんのほうが多いことがわかりました。また、子宮体がんの罹患率を年代別にみてみると、30代後半から徐々に増え始め、40代後半から急増。50代後半で罹患率はピークとなり、60代も多いことが示されています。近年、子宮体がんは増加傾向にあり、その罹患率はここ10年の間に約2倍となっています(国立がんセンターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)種別統計情報 子宮体部)。

井上 真奈美

監修者 井上 真奈美 先生 1990年筑波大学医学専門学群卒。1995年博士(医学)取得。1996年ハーバード大学公衆衛生大学院修士課程修了。愛知県がんセンター研究員、国立がんセンター室長、東京大学特任教授等を経て、現在、国立がん研究センターがん対策研究所予防研究部部長。専門分野はがんの疫学と予防。