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人生のステージ(年齢層)ごとに、必要な口腔ケアは変わる

人生のステージ(年齢層)ごとに、必要な口腔ケアは変わる

高齢期には、口の機能の維持が健康寿命にかかわる

更年期にはさまざまな心身の不調があらわれ、慢性剥離性歯肉炎やドライマウスなど、口の中にも影響が及びます。年だから、とただがまんしてしまわずに、更年期を健康に乗り切るための歯科治療や生活習慣の見直しが必要です。

高齢期では、特に女性に骨粗しょう症が増えてきます。骨粗しょう症が進むと歯周病が悪化するともいわれ、口の中の健康のためにも骨粗しょう症予防が重要といえます。さらに年齢とともに、口の機能も低下し、自分で「食べる・話す」といった、人生の根幹となる機能に支障をきたすようになってきます。健康寿命(健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間)を伸ばすには、本人の生活習慣の見直しや機能維持・回復のための訓練も大切。さらに、介護が必要となった場合には、家族など介護者による口腔ケアが欠かせません。

今年度の当コーナーでは、このような人生のステージごとに、口の中の状況の変化や、必要な口腔ケアを詳しく取り上げていきます。家族全員で、正しい口腔ケアの知識とやり方を身につけましょう。

佐瀬 聡良 先生

監修者 佐瀬 聡良 先生 (佐瀬歯科医院 院長) 1984年日本大学松戸歯学部卒業。89年千葉県千葉市に佐瀬歯科医院を開院し、現職。2004年より日本大学松戸歯学部歯周治療学講座非常勤医局員も兼務。「臨床家のための実践ペリオセミナー」「歯科衛生士のための実践ペリオセミナー」講師なども務める。日本歯周病学会専門医、日本臨床歯周病学会認定医・指導医、米国歯周病学会会員。