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むし歯や歯周病が悪化しやすい妊娠・出産時こそ毎日の口腔ケアを

むし歯や歯周病が悪化しやすい妊娠・出産時こそ毎日の口腔ケアを

「出産回数が多い人ほど歯が少ない」。妊娠中も必要な治療を受け、食生活も見直す

また、国立がん研究センターの大規模調査では、出産回数の多い人ほど、残っている永久歯の数が少ないことが明らかになっています。この結果について同センターでは「妊娠・出産のプロセスに伴い、ホルモンや口の中の細菌のバランスが変化し、免疫力が落ちることで、むし歯にかかりやすくなったり、歯周組織の破壊が起こりやすくなったりし、妊娠ごとにそれが繰り返されることで、歯の喪失に至るリスクが高まると考えられます」とコメントしています。

また、同センターでは、妊娠中は歯科の治療を避ける傾向がみられることも影響を与えていると指摘しています。信頼できる歯科医院で、妊娠していることを伝え、必要な歯科治療を受けましょう。

そして、妊娠中は、赤ちゃんの歯の健康も考えた食習慣の見直しも大切です。「妊婦は、赤ちゃんにカルシウムをとられて歯がボロボロになる」といわれますが、母体の歯からカルシウムが溶け出すことはありません。ただ、カルシウムに限らず、妊娠中の母親の食生活で吸収された栄養素が、胎児の歯の健康を左右するのは明らかです。

妊娠中は栄養バランスのとれた食事を心がけ、塩分や糖質は控えめにして、赤ちゃんの健康な歯にとくに必要な、たんぱく質やビタミン、ミネラルが不足しないようにしましょう。

佐瀬 聡良 先生

監修者 佐瀬 聡良 先生 (佐瀬歯科医院 院長) 1984年日本大学松戸歯学部卒業。89年千葉県千葉市に佐瀬歯科医院を開院し、現職。2004年より日本大学松戸歯学部歯周治療学講座非常勤医局員も兼務。「臨床家のための実践ペリオセミナー」「歯科衛生士のための実践ペリオセミナー」講師なども務める。日本歯周病学会専門医、日本臨床歯周病学会認定医・指導医、米国歯周病学会会員。