失った歯は戻らない! 歯周病はしっかりと治療しましょう
失われた歯槽骨や歯根膜などの歯周組織を再生させる治療も
この手術と併せて、歯周組織を再生させるための手技が行われることもあります。歯周病菌の感染による炎症で歯槽骨が失われた箇所は、そのままにしておくと歯肉でふさがれてしまい、歯槽骨が再生する空間がなくなってしまうことがあります。歯槽骨が失われた箇所を覆うように人工膜をかぶせ、歯肉でふさがれるのを防ぎ、できた空間に本来の歯根膜や歯槽骨といった歯周組織を再生させるのがGTR(組織再生誘導)法です。
もう一つのバイオ・リジェネレーション法は、歯ぐきを切開して歯石を除去する手術をした後で、溶けた歯槽骨の部分の歯根に薬剤(特殊なたんぱく質)を塗布して、破壊された歯周組織を再生させる治療です。歯周組織を再生させる薬剤は、現在、2種類から選べるようになっています。
どちらの再生治療でも、術後1年~1年半ほどで、歯根膜や歯槽骨といった歯周組織の再生が期待できるといわれています。しかし、どちらの方法も治療対象には一定の条件があります。歯槽骨の状態によっては、再生が期待できず、手術の対象にならない場合があるため、費用や期待できる治療効果なども含め、事前に歯科医師とよく相談することが重要です。
口の中には常に歯周病菌がすみついているため、歯周病治療には、これで完治、ということがありません。以上のような治療を受けたうえで、その後も歯科医院で定期的に検査(メインテナンス)を受けることも忘れないでください。