噛みグセで顔がゆがむ? 片側だけで噛む「偏咀嚼」を改めましょう
食事のとき、いつも同じ側の歯で噛んでしまう「片側噛み(偏咀嚼・へんそしゃく)」。よく噛む側は歯がすり減り、使わないほうはむし歯や歯周病のリスクが高まり、さらには下の顎が噛む側にずれ、口・顔から、全身がゆがんでさまざまな症状が出る場合も。心あたりがある場合は、早速、両側噛みのためのトレーニングを始めましょう。
口のまわりから顔全体、さらに全身が「ゆがんで」さまざまな症状が出る
片側噛みをしているかどうかは、顔を観察するとよくわかります。普段の顔と、笑ったときの顔(ほうれい線や口角がはっきりしやすい)を写真にとって、以下のリストでチェックしてみましょう。あてはまる項目が多いほど、片側噛みの可能性が高いといえます。
●副鼻腔炎で歯が痛むときの痛み方の特徴
□ほうれい線や口角の上がり方などが左右対称でない
□ほうれい線や目じりなど、シワの深さが左右で異なる
□首が傾いている
□目やまゆの高さが左右で異なる
□あごが中心からずれている
□(口の中)片側の歯がすり減っている(奥歯の高さが違う)
片側の歯ばかりで噛んでいると、顔面の筋肉のうち、噛む側の筋肉はよく使われてハリが保たれます。逆に、使われない反対側の筋肉はたるみ、シワも深くなりがちです。この影響が口のまわりのほうれい線によく表れます。
このバランスの乱れによって、口のまわりにとどまらず、顔全体から全身がゆがんでくるとされています。首はよく噛む側に傾き、背骨もそれに合わせてゆがんできます。歯並びのゆがみから、あごがカクカク鳴る顎関節症、骨格のゆがみから頭痛、肩こり、腰痛、めまいや耳鳴り、さらには手足のしびれなども起こりやすくなるとの指摘もあります。首が傾くと、下になった側の鼻が詰まって口呼吸が増え、口呼吸に伴うさまざまな体調不良が出やすくなる、ともいわれています。
もちろん、歯そのものへの影響も見逃せません。よく使う側の歯はすり減りやすく、歯そのものの寿命が縮まるだけでなく、歯と歯肉の間のクッションである歯根膜に炎症が起こり、歯が数日浮くようになり、一旦治りますが繰り返します。一方の使わないほうの歯は、食物による歯垢除去作用が減り、むし歯や歯周病のリスクが高まります。