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抜歯後の「出血」「痛み」「腫れ」「口の開けづらさ」への備えは?

抜歯後の「出血」「痛み」「腫れ」「口の開けづらさ」への備えは?

抜歯による炎症で腫れたり、口を開けづらくなることも

すでにグラグラしているような歯や乳歯を抜いた場合は、とくに腫れることはありませんが、歯肉に埋まった歯や親知らずを抜いたときには腫れることがよくあります。抜いた直後はやや腫れた程度でも、2日目以降にひどく腫れる場合があります。腫れは数日間続き、その後、自然に引いていき、1週間ほどでなくなります。

腫れの原因は、抜歯による炎症です。これに備え、抜歯の際に処方される抗菌薬(化膿止め)や消炎薬(腫れ止め)は必ず服用してください。腫れがみられる間は、飲酒や運動、喫煙、熱い・長いお風呂などは控えてください。患部を強く冷やしたり温めたりするのは、どちらもおすすめできません。水濡れタオル程度で冷やすのがよいでしょう。

抜歯による炎症が、あごを動かす筋肉に及ぶと、腫れるだけでなく、痛みとともに「口を開けづらく」なることがあります。これらの症状のもとになるのがあごの筋肉のため、下の奥歯を抜いたときに出やすい傾向があります。

口の開けづらさが、日常生活に支障のない範囲なら、そのままでもよいでしょう。ただし、食事や会話に影響が出るようなら、受診してください。腫れて膿がたまっていれば、膿を排出させる治療が行われます。

佐瀬 聡良 先生

監修者 佐瀬 聡良 先生 (佐瀬歯科医院 院長) 1984年日本大学松戸歯学部卒業。89年千葉県千葉市に佐瀬歯科医院を開院し、現職。2004年より日本大学松戸歯学部歯周治療学講座非常勤医局員も兼務。「臨床家のための実践ペリオセミナー」「歯科衛生士のための実践ペリオセミナー」講師なども務める。日本歯周病学会専門医、日本臨床歯周病学会認定医・指導医、米国歯周病学会会員。