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歯みがき粉の違いや正しい使い方を知っておこう

歯みがき粉の違いや正しい使い方を知っておこう

 ブラッシングのとき、歯みがき粉(歯磨剤)をまったく使わない人もいるかもしれませんが、多くの人はとくに意識しないで漫然と使い続けているのではないでしょうか。しかし、むし歯予防をはじめ、口の中の健康に役立つ成分が含まれた歯みがき粉も少なくありません。含有成分の種類や量などの違いをよく理解し、歯みがき粉を正しく使いましょう。

フッ素入り歯みがき粉でブラッシングすると、むし歯発生率が30~40%減

歯みがき粉の効果で最も期待できるのはむし歯予防であり、国内の歯みがき粉の約9割にはフッ素が含まれているとみられます。フッ素には、歯の修復(再石灰化)を促して酸に強い溶けにくい構造に変える作用があります。歯を強くするだけでなく、歯垢(プラーク)による酸の産出を抑制するため、むし歯予防につながると考えられています。

フッ素入りの歯磨き粉は、医薬部外品として「むし歯の発生及び進行の予防」という効能・効果をうたうことが認められています。多くの研究で、普段のブラッシングにとり入れることで、非使用時に比べてむし歯が30~40%減ると報告されています。

ただ、ブラッシングでせっかく歯にフッ素を浸透させたとしても、その後、何度もうがいをしてしまうとフッ素が洗い流されてしまいます。ブラッシングの後は、唾液を吐きだすだけで、極力うがいはしないほうがよいでしょう。

フッ化物の含有基準が引き上げられたが、乳幼児には注意が必要

WHO(世界保健機関)の報告によれば、フッ化物の濃度が1,000ppm(0.10%)以上の場合、以降、濃度が500ppm(0.05%)高くなるごとにむし歯予防効果が6%ずつ上昇します(WHO Technical Report No.846,1994年)。フッ素は元素名であり、フッ化物は水や歯みがき粉に含まれるフッ素のことです。

歯みがき粉のフッ化物はモノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズのいずれかです。歯みがき粉の成分表示でこれらを確認してみましょう。

厚生労働省は2017年3月、フッ化物配合の薬用歯みがきの含有基準を、それまでの1,000ppm(0.10%)から1,500ppm(0.15%)に引き上げました。国際的な基準に合わせた“規制緩和”とみられています。

ただし、1,000ppm(0.10%)を超える歯みがき粉は、6歳未満の乳幼児が使うと歯や全身に悪影響を及ぼす恐れがあり、控えるべきとされています。1,000ppmを超える乳幼児用の歯みがき粉は販売されていませんが、使用の際にはフッ素濃度や年齢制限などの表示を確認しましょう。

また、3歳未満など吐き出しができない子どもに対しては、500ppm以下の歯みがき粉を選ぶ、使う量を減らす、泡状や液体を選ぶことなどに注意しましょう。歯科検診の際などに、歯科医院で相談するとよいでしょう。

佐瀬 聡良 先生

監修者 佐瀬 聡良 先生 (佐瀬歯科医院 院長) 1984年日本大学松戸歯学部卒業。89年千葉県千葉市に佐瀬歯科医院を開院し、現職。2004年より日本大学松戸歯学部歯周治療学講座非常勤医局員も兼務。「臨床家のための実践ペリオセミナー」「歯科衛生士のための実践ペリオセミナー」講師なども務める。日本歯周病学会専門医、日本臨床歯周病学会認定医・指導医、米国歯周病学会会員。