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失われた歯周組織を取り戻す「再生療法」を正しく理解しておこう

失われた歯周組織を取り戻す「再生療法」を正しく理解しておこう

 歯の土台である歯槽骨は、いったん溶けて失われると、通常は元には戻りませんが、「再生」できる場合があります。なかには再生療法の対象にならないケースもあるため、歯周組織の再生療法を正しく理解しておくことが大切です。

ブラッシング指導や歯石除去などの基本的な治療を受け、再生療法はその後

歯周病が進むと、歯槽骨などの歯周組織が失われ、土台をなくした歯がグラつき、やがて抜けてしまいます。これを食い止める可能性があるのが、失われた歯周組織を再生させる治療(歯周組織再生療法)です。

しかし、歯がグラついているからといって、歯科医院で最初から再生療法を受けられるわけではありません。歯周病治療の基本はあくまで、毎日の適切なブラッシングと歯石の除去です。したがって、まず、正しいブラッシングの指導を受け、歯周病の原因である歯垢(プラーク)や歯石を除去するといった、歯周病の基本的な治療を受けることになります。

X線検査などにより、これらのケアや治療を行っても歯周組織の十分な回復が見込めないことがわかって初めて、再生療法を検討することになります。

再生療法は、歯肉を切開して歯石を除去するフラップ手術に追加して行う

歯周組織の再生療法には、歯周組織の再生を促すために薬剤を使う治療と使わない治療に分けることができます。どちらも、フラップ手術という、歯の根元にたまった歯石を除去する治療に追加して行われます。

歯と歯肉の境目の溝にたまった歯石のうち、歯の根元のような溝の深い部分にたまった歯石は、口の中に器具を入れて行う通常の方法では除去できません。このため、いったん歯肉を切開し、歯の根元を露出させてから掃除をして歯石を除去します(フラップ手術)。

このとき、薬剤を使わずに、歯肉と破壊された歯槽骨の間に特殊なフタ(遮へい膜)をし、それによりできた空間での歯周組織の再生を促す治療法はGTR法と呼ばれます。

佐瀬 聡良 先生

監修者 佐瀬 聡良 先生 (佐瀬歯科医院 院長) 1984年日本大学松戸歯学部卒業。89年千葉県千葉市に佐瀬歯科医院を開院し、現職。2004年より日本大学松戸歯学部歯周治療学講座非常勤医局員も兼務。「臨床家のための実践ペリオセミナー」「歯科衛生士のための実践ペリオセミナー」講師なども務める。日本歯周病学会専門医、日本臨床歯周病学会認定医・指導医、米国歯周病学会会員。