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失われた歯周組織を取り戻す「再生療法」を正しく理解しておこう

失われた歯周組織を取り戻す「再生療法」を正しく理解しておこう

歯周組織再生の薬剤は2種類、歯槽骨などの状態によっては使えない場合も

薬剤を使う治療の場合、歯石を除去した後、歯の根元部分に歯周組織の再生を促す薬剤を塗布します。塗布する薬剤には2種類あり、歯が生えるときに必要なたんぱく質を主成分とする「エムドゲイン」と、傷口の治癒を促す細胞を活性化させる成長因子である「リグロス(一般名・トラフェルミン)」です。どちらかを塗布したうえで、切開した歯肉を縫い合わせます。

エムドゲインを使用する治療は、「歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法」として、治療の一部に健康保険が適用される先進医療に認められています。もう一つのリグロスを使用する治療はすべて健康保険の適用になっています。

なお、それぞれの薬剤に適応症が記載されていて、これらの薬剤を使う治療が受けられるかどうかは、歯根周囲の歯槽骨の破壊のされ方(欠損の状態)によって決まります。また、適応症であっても歯肉の状態によっては、再生効果が得られにくいことがあります。X線撮影などで歯槽骨の状態などを調べ、適応症でなければ、薬剤を使う再生療法は期待できないことを知っておいてください。

また、どの再生療法も、手術を受ければ失われた歯槽骨がすべて元通りに再生されるというわけではなく、7割程度再生されれば成功と思ってください。また、実際に再生してくるまでには年単位の期間が必要であり、個人差もあります。こうした期待できる治療効果をはじめ、費用やデメリットなどについても、事前によく相談して納得したうえで歯周組織再生療法を受けるようにしましょう。

佐瀬 聡良 先生

監修者 佐瀬 聡良 先生 (佐瀬歯科医院 院長) 1984年日本大学松戸歯学部卒業。89年千葉県千葉市に佐瀬歯科医院を開院し、現職。2004年より日本大学松戸歯学部歯周治療学講座非常勤医局員も兼務。「臨床家のための実践ペリオセミナー」「歯科衛生士のための実践ペリオセミナー」講師なども務める。日本歯周病学会専門医、日本臨床歯周病学会認定医・指導医、米国歯周病学会会員。