出血が止まらない、歯が痛い・抜けてしまった……応急処置を知っておこう
抜歯後の出血が止まらない、むし歯が痛くて眠れない、口を強く打ちつけた勢いで歯が抜け落ちてしまった……。そのような歯の緊急事態は、気をつけているつもりでも、いつでも誰にでも起こり得ます。あわてず正しく対処できるよう、応急処置について知っておきましょう。
抜歯後の止血には、傷口にガーゼを丸めて乗せ、10~20分間噛み合わせる
抜歯後の出血がなかなか止まらない、あるいはいったん止まっても帰宅後にまた出血、というケースは、親知らずのような、曲がって生えていたり、歯肉の切開が必要な歯や、歯周炎が進行した歯を抜いたときなどにみられます。
そのような場合は、まず清潔なガーゼや脱脂綿を用意し、抜歯の傷口よりやや大きめに丸めます。鏡で口の中をよく確認しながら、この丸めたガーゼなどを傷口の上に乗せ、上下の歯をしっかり噛み合わせ圧迫します。ずれていると出血を止めにくくなってしまうため、ガーゼを傷口に正しく乗せることが大切です。
10~20分間噛み合せたら、いったんガーゼを外し、傷口を観察します。うっすらと血がにじむ程度なら、ガーゼをはずして様子をみましょう。止血できていないようなら、新しいガーゼなどに取り換えて、再度、噛んでください。一度に長い間噛み合わせていると、かえって止血しにくくなるので、これを3~4回繰り返します。それでも出血が止まらないようなら、抜歯治療を受けた歯科医院に診てもらいましょう。
むし歯の痛みの応急処置には、市販の鎮痛薬を正しく使い、ほおやあごを冷やす
むし歯が痛むときは、歯科医院できちんと治療してもらうことが重要ですが、すぐに受診できない場合の応急処置としては市販の鎮痛薬が有効です。痛みを感じたら早めに服用するのがよいとされているので、用法用量を守って、正しく使ってください。
痛む歯に近い「ほお」や「あご」などを冷やすのもよいでしょう。冷却シートがあれば利用し、なければ湿ったタオルで氷を包んだりして冷やします。
また、歯の間などに食べ物カスなどの汚れがたまっていることが痛みの原因になっている場合があるので、むし歯を刺激しないように、冷たい水は避けて、ぬるま湯で口をゆすいだり、むし歯を刺激しないようにデンタルフロスなどで汚れを取り除きましょう。