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40歳以上の7割は歯周病疑い! 重症化する前に正しいケアを

40歳以上の7割は歯周病疑い! 重症化する前に正しいケアを

セルフケアと歯科医院の専門的ケアで正常な歯や歯肉を取り戻す

ほとんどの人が歯周病に気づき始めるのが、次の段階の中等度歯周炎です。歯周ポケットの深さは4~6mm。歯ぐきの色は赤色や紫色といった不健康な色になってきます。口が粘ついたり、口臭が強くなるのもこのころです。歯を指で軽く押すと、少しずつグラつくようになります。

重度歯周炎まで進むと、炎症はさらに悪化し、歯の周りのセメント質や歯根膜、そして歯槽骨の破壊が進みます。歯周ポケットの深さは6mm以上になっています。歯肉が下がって歯の根元が露出し、歯が伸びたように見えます。歯肉から膿や血が出ることもあります。土台を失った歯のぐらつきがひどくなり、やがて抜け落ちることになります。これらの中等度~重度の歯周炎の人が20歳代後半で30%を超えているわけです。

ここまで重症化させないためには、歯科検診の利用や歯科医院での定期的な検査で自分の歯周ポケットの深さと、どこに炎症があるかを確認し、歯科での専門的なケアに加えて、ブラッシングを中心にしたセルフケアで、正常な歯や歯肉を取り戻しましょう。

佐瀬 聡良 先生

監修者 佐瀬 聡良 先生 (佐瀬歯科医院 院長) 1984年日本大学松戸歯学部卒業。89年千葉県千葉市に佐瀬歯科医院を開院し、現職。2004年より日本大学松戸歯学部歯周治療学講座非常勤医局員も兼務。「臨床家のための実践ペリオセミナー」「歯科衛生士のための実践ペリオセミナー」講師なども務める。日本歯周病学会専門医、日本臨床歯周病学会認定医・指導医、米国歯周病学会会員。