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特定健診で「歯科受診」をすすめられたら、必ず受診しましょう

特定健診で「歯科受診」をすすめられたら、必ず受診しましょう

健診の問診票に、歯の状態に関する質問があるのをご存じですか? 2018年度からの第3期特定健康診査から「食事を噛んで食べるときの状態」を問う項目が質問票に追加されました。むし歯や歯周病、歯の喪失、その他の歯・口腔疾患等による、さまざまな口の中の機能低下を見つけるためです。生活習慣病やオーラルフレイルの予防のために、異常が指摘されたら早めに歯科を受診しましょう。

食事をよく噛めないと、野菜不足・エネルギー過多から生活習慣病の恐れも

特定健康診査・特定保健指導、いわゆるメタボ健診は、生活習慣病につながる体の異常を早めに見つけ、生活習慣の見直しなどで生活習慣病を未然に防ぐことをめざしています。このため、メタボ健診を受ける前に回答する質問票には、病歴や喫煙歴、食事・運動習慣などに関する質問が並んでいます。そこに、2018年度から次のような質問項目が加わりました。

食事を噛んで食べるときの状態はどれにあてはまりますか?
①何でも噛んで食べることができる
②歯や歯ぐき、噛み合わせなど、気になる部分があり、噛みにくいことがある
③ほとんど噛めない

この回答が②や③だった場合、食事をよく噛めないことで、よく噛む必要のある野菜(食物繊維・ビタミン・ミネラル)の摂取が減りがちです。そのうえ、あまり噛まずに食べられる食品が多い脂質や糖質、すなわちエネルギー過多になりやすい食品の摂取が増えることから、生活習慣病の危険性が高まると考えられています。

咀嚼(食べる)機能回復で栄養バランスが整い、速食いが改善、オーラルフレイルの予防にも

②または③と回答した人の多くは、歯科での治療を受けることで口腔内の状態が改善することが期待されます。よく噛めるようになれば、バランスよく食事がとれるようになるだけでなく、唾液の分泌量が増え、消化吸収の促進や味覚の増進などにも有効です。また、よく噛むことを習慣づけることで、速食いなど肥満を招きやすく、不健康な食習慣が改善される場合もあります。

さらに、よく噛めないまま高齢者になると、噛むだけでなく、飲み込んだり、話したりする機能が衰える「オーラルフレイル」を招きかねません。オーラルフレイルは栄養不足や筋力低下(サルコペニア)、気分の落ち込みなどから、要介護の一因にもなることが知られています。食事をよく噛めるようにすることが、将来のオーラルフレイル予防になります。

佐瀬 聡良 先生

監修者 佐瀬 聡良 先生 (佐瀬歯科医院 院長) 1984年日本大学松戸歯学部卒業。89年千葉県千葉市に佐瀬歯科医院を開院し、現職。2004年より日本大学松戸歯学部歯周治療学講座非常勤医局員も兼務。「臨床家のための実践ペリオセミナー」「歯科衛生士のための実践ペリオセミナー」講師なども務める。日本歯周病学会専門医、日本臨床歯周病学会認定医・指導医、米国歯周病学会会員。