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口内炎が2週間以上続いたら、歯科医院を受診しよう

口内炎が2週間以上続いたら、歯科医院を受診しよう

口の中の粘膜に白い円形のものができたり、粘膜の一部が赤く腫れたりする口内炎は、飲食物がしみたりして不快な症状を伴うものの、特に治療しなくても自然に治ります。しかし、外見では口内炎と見分けがつかない赤い腫れなどが実はがんだったというケースもまれにあるため、ただ放置してしまうのは危険です。

口腔がんの多くは舌がん。65歳以上に多く、最近は女性患者が増えている

口内炎はでき方などにより、いくつかのタイプに分けることができます。

  • アフタ性口内炎…誤って口の中をかんだりして粘膜が傷つくことのほか、疲れやストレスで発症。最も一般的な口内炎。
  • カタル性口内炎…歯のかぶせものや矯正装置が粘膜に繰り返しあたって発症。
  • 潰瘍性口内炎…歯のとがった部分や入れ歯が繰り返し粘膜にあたって発症。
  • ニコチン性口内炎…たばこの有害成分であるニコチンで発症。

いずれの口内炎も再発を繰り返すことが多いものの、通常2週間程度でいったんは自然に治ります。これが、2週間以上経っても治らない場合、まれにですが、口内炎ががん化していたり、もともとがんができてその症状として赤い腫れなどが起こっていた、というケースがあります。

このようながんは、口の中にできることから口腔がんと呼ばれ、多くは舌にできるぜつがんです。そのほか歯肉にできる歯肉がん、下の歯ぐきと舌の付け根に囲まれた部位にできる口腔底がん、唇にできる口唇こうしんがんなどがあります。喫煙や過度な飲酒習慣が口腔がんの誘因になると考えられており、かつては明らかに男性に多かったのですが、最近は女性患者が増え、男女差が縮まっています。患者の多くは65歳以上の高齢者です。

口内炎として放置、舌の縁にできて見えにくいことなどから発見が遅れがち

初期の口腔がんはとくに目立った症状が見られないか、症状が出たとしても舌や口の中の粘膜の一部が、白くなったり、赤みが強くなったり、ただれたり、しこりを感じるという程度です。

これらに気づいたとしても、口内炎の症状としてそのうち治るだろうと放置されがちです。また、口腔がんの多くを占める舌がんは、舌の側面(縁)や裏側にできやすいことから、見えにくく、見逃されやすくなっています。また、そもそも口腔がん自体がよく知られていないこともあって、発見が遅れるケースもあります。

このため、口腔がんは進行がんで見つかる割合が高いのが特徴です。進行した口腔がんは再発しやすいうえ、治療のために舌やあご、ほおを大きく切除するケースも出てきます。これを避けるためには少しでも早く見つけ、早期治療につなげることが大切です。

佐瀬 聡良 先生

監修者 佐瀬 聡良 先生 (佐瀬歯科医院 院長) 1984年日本大学松戸歯学部卒業。89年千葉県千葉市に佐瀬歯科医院を開院し、現職。2004年より日本大学松戸歯学部歯周治療学講座非常勤医局員も兼務。「臨床家のための実践ペリオセミナー」「歯科衛生士のための実践ペリオセミナー」講師なども務める。日本歯周病学会専門医、日本臨床歯周病学会認定医・指導医、米国歯周病学会会員。