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声を出しづらい、食べ物をうまく飲み込めないのはドライマウスかも

声を出しづらい、食べ物をうまく飲み込めないのはドライマウスかも

声がかれる・声を出しづらい、乾いた食べ物が食べづらい……こんなときは口の中の乾燥が原因かもしれません。唾液が減り、口の中が乾燥した状態が続くと、これらの口の中の症状にとどまらず、全身の不調を招く恐れも指摘されています。乾燥した日が続く冬季は特に、口の中まで乾燥対策が重要です。

乾いた物が食べにくい、口臭がある、味覚がおかしい、などの症状も

唾液が減って口の中が乾いた状態は「ドライマウス(口腔乾燥症)」と呼ばれます。「たかが口の乾燥でしょ」と思われがちですが、糖尿病や腎不全などの病気や体調不良のサインだったり、口の中の乾燥が続くことで口の中はもちろん、全身に不調を起こす恐れもあります。

ドライマウスといっても、単に口が乾くだけでなく、さまざまな症状を伴いがちです。次のような症状がみられる場合は、自分では「乾いている」とは感じていなくてもドライマウスかもしれません。

ドライマウスでよく見られる、口の乾燥以外の主な症状

  • 声がかれる、声を出しづらい
  • パンやビスケットなどの乾いた物が食べにくい
  • 乾いた物に限らず食べ物をうまく飲み込めない
  • 口臭がある
  • 味覚がおかしい
  • 唇や目、皮膚が乾燥しがち
  • 舌が乾いてツルツルになる
  • ほおの内側に発赤(ほっせき)がある
  • 唇が乾いて口角炎ができる

唾液が少なくなり、唾液の健康作用が妨げられ、むし歯や歯周病へ

ドライマウスの症状の多くは唾液が少なくなることで起こります。唾液には下表左側のような働きがあり、唾液が少なくなることでその働きが十分ではなくなり、病気や体調不良(下表右側)を招くことになります。

高齢者の場合、ドライマウスによる食べにくさ、飲み込みづらさから、飲食物が食道ではなく気道(気管)や肺に入り込みやすくなりがちです。命に関わることがある誤嚥(ごえん)性肺炎を招く恐れもあるので注意が必要です。

唾液の主な働きと唾液不足によって起こりうる病気や体調不良

唾液の主な働き 唾液不足による病気や体調不良
口の中の細菌やウイルスの働きを抑える むし歯、歯周病、口腔カンジダ症などの感染症
口の中の細菌や食べかすを洗い流す 口臭
飲食物で酸性になった口の中を中和する むし歯
酸で歯から溶け出したカルシウムを歯に戻す(再石灰化) むし歯
食べたものを溶かして、舌に届きやすくする 味覚異常

佐瀬 聡良 先生

監修者 佐瀬 聡良 先生 (佐瀬歯科医院 院長) 1984年日本大学松戸歯学部卒業。89年千葉県千葉市に佐瀬歯科医院を開院し、現職。2004年より日本大学松戸歯学部歯周治療学講座非常勤医局員も兼務。「臨床家のための実践ペリオセミナー」「歯科衛生士のための実践ペリオセミナー」講師なども務める。日本歯周病学会専門医、日本臨床歯周病学会認定医・指導医、米国歯周病学会会員。