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歯科のX線検査を正しく理解し、必要な治療はきちんと受けて

歯科のX線検査を正しく理解し、必要な治療はきちんと受けて

歯周病やむし歯などの歯科の治療でX線撮影が行われる場合があります。何のための撮影なのでしょうか。 特に妊娠中のとき、被ばくが気になったことはありませんか? 自分が受けている治療を知り、また、X線検査への間違った思い込みで必要な治療を受け損なうことのないように、歯科のX線検査への理解を深めておきましょう。

歯並びやあごの骨内部の確認にパノラマ、小さめなら詳細な情報が得られる

歯科治療で「レントゲンを撮る」といった場合、多くは3~4本分の歯を写せる3cm×4cm程度の通常のデンタルX線写真か、上下の歯全体が写せる15cm×30cm程度のパノラマX線写真です。どちらも、歯肉に覆われた歯の根元部分も含めて、歯全体とその周辺の状態を1枚の画像にすることができます。

パノラマX線写真は主に、歯並びを確認したり、あごの骨の内部の状態を知るために撮影されます。これに対して通常のサイズのデンタルX線写真は、パノラマよりも小さく絞り込む分、より詳細な情報が得られ、肉眼では見つけにくいむし歯の発見や、治療全般の進み具合の確認に適しています。親知らずが歯肉に隠れていないか、隠れているならどのような形で隠れているのかもわかります。

このほか、顎関節の異常が疑われる場合など、口の中だけでなく、首から上全体を写すX線検査もあります。

歯科X線1回の被ばく量は、自然界から受ける年間放射線量の50~150分の1以下

X線による検査である限り被ばくは避けられませんが、被ばく量はこの通常のデンタルX線写真で1回に0.01mSv(ミリシーベルト)、パノラマX線写真で1回に0.03 mSv。顔全体を写すような大きなX線写真でも1回に0.04 mSvです。

これに対して、私たち日本人は普段の生活で自然界から年間約2.1 mSvの放射線を受けており、歯科X線検査での被ばく量はこれの50~150分の1程度です。ちなみに、健康診断での胸部X線検査の被ばく量は0.05 mSvとされており、歯科X線検査ではこれより少ない被ばく量です。

また、歯科のX線検査では通常、少しでも被ばく量を減らすために、体幹部をおおう鉛のエプロンを着用します。

これらの数値等から、歯科X線検査による被ばく量はごくわずかとみるか、それでも気になるとみるかは個人差があります。いずれにしても、X線検査の内容を含め、自分の治療に関する説明をよく聞いて、納得したうえで治療を受けるようにしましょう。

佐瀬 聡良 先生

監修者 佐瀬 聡良 先生 (佐瀬歯科医院 院長) 1984年日本大学松戸歯学部卒業。89年千葉県千葉市に佐瀬歯科医院を開院し、現職。2004年より日本大学松戸歯学部歯周治療学講座非常勤医局員も兼務。「臨床家のための実践ペリオセミナー」「歯科衛生士のための実践ペリオセミナー」講師なども務める。日本歯周病学会専門医、日本臨床歯周病学会認定医・指導医、米国歯周病学会会員。