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歯周病対策がオーラルフレイル、介護予防につながる

歯周病対策がオーラルフレイル、介護予防につながる

心身の活力が低下した状態をフレイル(衰弱)といい、そこに至る過程の1つとして、口の機能低下である「オーラルフレイル」が考えられています。歯周病により噛めない状態が続くと、オーラルフレイルを招き、要介護に至る恐れがあります。歯周病を防ぎ、きちんと治療したうえで、オーラルフレイルを予防しましょう。

言葉がはっきりしない、食べこぼす、噛めない食品が増えたなどは要注意

オーラルフレイルは次の4つのレベルに分けることができます。第1レベルから第4レベルへ重度化するほど、身体的フレイルへの影響度が増大していきます。

フレイルへの影響度(参考:日本医師会「オーラルフレイル」パンフレット)

●第1レベル:口の健康リテラシー(健康への対応力)の低下
口の中の健康への関心が薄く、治療や歯科検診をほとんど受けないことから、むし歯や歯周病が放置され、歯を失うリスクが増大しています。人とのつきあいが少ない(社会的フレイル)、ふさぎこみがち(精神心理的フレイル)、自発性の低下などが背景になっていることがあります。

●第2レベル:口の中のささいなトラブル
言葉がはっきりしない、食べこぼす、噛めない食品が増えた、むせるといった、機能の低下とまではいえない口の中のちょっとしたトラブルが現れます。この状態が続くと、食べるものが限られ、食欲も低下してきます。

●第3レベル:口の機能低下
口の機能低下に伴い、口の中が不衛生になったり、乾燥しやすくなります。噛む力をはじめ、唇や舌の機能、よく噛んで飲み込む機能などが低下してきます。その結果、低栄養や筋肉不足・筋力低下(サルコペニア)を招くこともあります。

●第4レベル:食べる機能の障害
よく噛むことができず、自力で食事をして飲み込むことが難しい状態です。その結果、栄養が十分にとれず、体を動かすことも困難になり、要介護の状態になることがあります。

セルフチェックでオーラルフレイルの危険項目を確認しよう

オーラルフレイルは、加齢に伴い誰にでも起こる恐れがあります。まず、現在の口の機能の状態をチェックしてみましょう。

オーラルフレイルのセルフチェック

●半年前に比べて、硬いものが食べにくくなった
●お茶や汁物でむせることがある
●義歯を使用している
●口の乾きが気になる
●コロナ禍の外出自粛分を差し引いても、以前より外出が少なくなった
●さきいか・たくあんくらいの硬さの食べ物を噛むことができない
●歯を磨くのは1日2回未満
●1年以上歯科医院を受診していない
(日本歯科医師会のリーフレット「オーラルフレイル」を元に作成)

当てはまる項目(特に始めの3項目)が多いほどオーラルフレイルの危険性が高いといえます。当てはまる項目が複数あった人は、次項のオーラルフレイル対策を始めましょう。

佐瀬 聡良 先生

監修者 佐瀬 聡良 先生 (佐瀬歯科医院 院長) 1984年日本大学松戸歯学部卒業。89年千葉県千葉市に佐瀬歯科医院を開院し、現職。2004年より日本大学松戸歯学部歯周治療学講座非常勤医局員も兼務。「臨床家のための実践ペリオセミナー」「歯科衛生士のための実践ペリオセミナー」講師なども務める。日本歯周病学会専門医、日本臨床歯周病学会認定医・指導医、米国歯周病学会会員。