歯石は歯周病のほか、口臭の原因にも。定期的に歯科医院を受診しよう
歯周病の原因であるプラーク(歯垢)を放置していると硬い歯石になり、ブラッシングだけでは除去できなくなります。歯石は、歯周病はもちろん口臭や歯の黄ばみなどの原因にもなるため、歯石の除去がこれらの予防や改善につながります。歯石がもたらす口の中のトラブルをよく知り、歯石を「つくらない」「除去する」習慣を身につけましょう。
歯石のざらざらした表面に新たなプラークが付着して増大、歯周病の悪化へ
歯と歯肉の境目の溝である歯周ポケットや、歯の表面にプラークが付着したままになっていると、唾液に含まれる炭酸カルシウムやリン酸カルシウムなどがプラークに付着して徐々に硬くなり(石灰化)、2週間もすると石のように硬い歯石となります。
歯石には、白~黄色い歯石と黒い歯石があります。歯の表面のプラークに唾液中の主にリン酸カルシウムが沈着すると白っぽい歯石となり、やがて黄ばんできます。黄色くくすんだ歯は、このような歯石が歯全体に広がっている場合があります。
一方、歯周ポケットのプラークに歯周ポケットからしみ出てくる液体などが沈着すると、黒褐色で特に硬く、除去しにくい歯石となります。
どちらの歯石も表面がざらざらしていることから、新たなプラークが付着しやすく、ブラシの毛先も届きにくいため、歯石が増大し、歯周病を悪化させて治りにくくなります。
口内細菌の増殖でガスが発生。免疫の働きによる膿が口臭の原因に
口臭は歯周病の代表的な症状ですが、歯石は口臭の発生に深く関わっています。
歯石のもとになるプラークは、歯周病菌をはじめとする口内細菌のかたまりです。これらの細菌が増殖すると、「玉ねぎや卵が腐ったような臭い」といわれる硫化水素やメチルメルカプタンといったガスを発生させ、口臭となります。
また、細菌の侵入(感染)に反応して体の免疫が働くと、歯肉で炎症が起こって腫れ、免疫と細菌との戦いによる双方の残骸が膿となって悪臭を放つようになります。これらの口臭を抑えるためにも、歯周病対策・歯石の除去が大切です。