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歯周病菌が引き起こす、命にかかわる誤嚥性肺炎

歯周病菌が引き起こす、命にかかわる誤嚥性肺炎

歯周病治療で口の中の細菌を減らし、口まわりの筋肉を鍛えよう

誤嚥性肺炎のリスクには主に次の3つがあるといわれています。

①口の中の細菌が多い……歯周病にかかっている、口腔ケアが不十分、細菌を減らす唾液の分泌が少ない。

②口腔機能の低下……飲み込む力やむせる力の低下。

③免疫力の低下(細菌が感染しやすくなる)……加齢、糖尿病などの生活習慣病、低栄養。

以上のリスクを解消することが、誤嚥性肺炎の予防につながります。まずは歯周病をきちんと予防し、治療することです。歯周病の原因となるプラーク(歯垢)は、歯周病菌を含む口の中の細菌のかたまりなので、毎日のブラッシングや歯科医院での専門的な治療で細菌を減らしましょう。

他にも、口や舌、のど(口まわり)の筋肉を使う体操で飲み込む力やむせる力をつけること、唾液腺マッサージで唾液を十分に出せるようにすることなどがすすめられます。全身の筋トレが口まわりの筋肉を鍛えることにつながるとも考えられていますので、ウォーキングや軽い筋トレを習慣づけるのもよいでしょう。

参考文献


佐瀬 聡良 先生

監修者 佐瀬 聡良 先生 (佐瀬歯科医院 院長) 1984年日本大学松戸歯学部卒業。89年千葉県千葉市に佐瀬歯科医院を開院し、現職。2004年より日本大学松戸歯学部歯周治療学講座非常勤医局員も兼務。「臨床家のための実践ペリオセミナー」「歯科衛生士のための実践ペリオセミナー」講師なども務める。日本歯周病学会専門医、日本臨床歯周病学会認定医・指導医、米国歯周病学会会員。