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「適切な」ブラッシング習慣で、歯周病を防ぎ・進行を抑える

「適切な」ブラッシング習慣で、歯周病を防ぎ・進行を抑える

歯周病の原因は、歯やその周辺に付着したプラーク(歯垢:しこう)です。毎日のブラッシングによるプラークの除去は、歯周病の予防と治療の基本です。歯周病を防ぎ・進行を抑える「適切な」ブラッシング習慣を身につけましょう。

ブラシの毛は「普通」~「やわらかめ」、ヘッドは小さめがおすすめ

まず、歯ブラシ選びから見直してみましょう。ブラシの毛の硬さは毛の太さに左右され、太いほど硬く、細いほど軟らかいと感じます。

●軟らかい歯ブラシの細い毛……プラークを除去する効率は硬い毛より低いものの、細かいところまで毛先が届いてしっかり磨けます。

●硬い歯ブラシの太い毛……プラークを効率よく除去できますが、細かいところが磨けなかったり、歯肉を傷つけてかえって歯周病のリスクを高めるおそれがあります。

この違いを考慮して、ブラッシングには「普通」~「やわらかめ」のブラシがおすすめです。特に、すでに歯周病で歯肉が傷ついている人は、軟らかい歯ブラシを選んでください。

また、ヘッドの大きさは、小さいほうが口の中で動かしやすく、小回りの利いた操作が可能です。ただし、加齢などで手や指の機能が低下している場合は、ヘッドが大きいほうがプラークを除去しやすくなります。また、弱い力でも持ちやすい、柄が太めのものを選びましょう。

毛先がどこに当たっているのかを意識し、軽めにコチョコチョ磨く

歯ブラシを握ってしまうと、力が過剰に入りすぎてゴシゴシ磨くことになり、細かな動きが難しくなります。ペンで文字を書くときのように歯ブラシを持ち、1カ所当たり10~20往復を目安に、軽めにコチョコチョ磨くのが基本です。

また、磨き残しがないよう、歯のどこを磨いているのか意識しましょう。ポイントは「歯と歯肉の境目」「奥歯の後ろ側」「歯の裏側」「奥歯の溝(かみ合わせ部分)」「歯と歯の間」「歯並びの悪いところ」など、ブラシの毛先が届きにくく、プラークが残りやすいところです。

佐瀬 聡良 先生

監修者 佐瀬 聡良 先生 (佐瀬歯科医院 院長) 1984年日本大学松戸歯学部卒業。89年千葉県千葉市に佐瀬歯科医院を開院し、現職。2004年より日本大学松戸歯学部歯周治療学講座非常勤医局員も兼務。「臨床家のための実践ペリオセミナー」「歯科衛生士のための実践ペリオセミナー」講師なども務める。日本歯周病学会専門医、日本臨床歯周病学会認定医・指導医、米国歯周病学会会員。