2018年度診療報酬改定で、4月から医療の内容や負担額が変わります
かかりつけ医の普及や、在宅医療の充実などを目指す
医療機関に支払われる診療報酬(医療費)は2年に一度見直されており、2018年度はその改定の年に当たります。4月から内容や費用が変更されたり、新設されたりする医療サービスがあるので、主なものを紹介します。なお、金額は医療費全体であり、患者負担額はそのうちの1~3割。「1月」は毎月の1日~月末の期間です。
●かかりつけ医機能をもつ医療機関の初診料引き上げ
かかりつけ医に求められるさまざまな役割を果たすとして届け出た医療機関(診療所と200床未満の病院)の場合、通常の初診料(2,820円)に、初診料機能強化加算として800円を新たに上乗せされるようになります。
●かかりつけの患者に24時間対応できる医療機関の加算新設
診療所がかかりつけの患者のために、ほかの医療機関と連携して24時間の往診に対応したり、24時間連絡がとれる体制を整えた訪問診療を提供した場合には、新たに継続診療加算として1月につき2,160円かかるようになります。
●大病院受診時の定額負担対象病院拡大
大学病院などの特定機能病院と大きな地域医療支援病院は、紹介状なしの初診の患者に5,000円(歯科は3,000円)以上の定額負担を徴収することが義務づけられています。対象となる地域医療支援病院の規模が、「500床以上」から「400床以上」に拡大されます。
●オンライン診療の推進
厚生労働省が定める慢性病などで、初診から6カ月以上通院治療を受けている患者を対象に、リアルタイムでコミュニケーションがとれる通信手段を使った「オンライン診療」が保険適用になります(一定の要件を満たす場合に限る)。
●入院時の食費負担額の引き上げ
入院と在宅療養の負担の公平を図るために、入院時の食費負担額が1食当たり360円から460円に引き上げられます(低所得者を除く。難病患者は260円)。
今後の医療ニーズの高まりを見据え、一人ひとりが医療費の節約を
前述の改定の背景は、かかりつけ医の役割を果たす医療機関を増やして「医療機関にかかるときはまず、かかりつけ医へ」を徹底したり、入院中心の医療よりも在宅医療に重点を置いたりといったねらいがあります。
これは、団塊の世代がすべて75歳以上に達する2025年のわが国を見据えて構築が求められている「地域包括ケアシステム」(どこに住んでいても適切な医療・介護を安心して受けられる社会の実現を目指すシステム)の推進の一貫です。
医療ニーズがますます高まるなかで、患者側も次のようなポイントに気をつけて、大切な医療費を節約することを心がけましょう。
●患者側にできる医療費節約のポイント
①「ジェネリック医薬品」を活用しましょう(詳しくは、4月から毎月1日に配信される新コーナー「ジェネリック医薬品はこんなにオトク!」 を参照してください)。
②自宅や職場の近くに信頼できる「かかりつけ医」をもちましょう
③「かかりつけ薬局」を決め、安心・安全な服薬につなげましょう
④受診時に領収書とともに発行される明細書で、医療費や診療内容を確認することを習慣にしましょう