もうすぐ流行期! 備えは十分ですか?「インフルエンザ」
11月ごろから増え始めるインフルエンザ。周囲のためにも確実な予防を
インフルエンザの流行期が近づいてきました。インフルエンザは例年、11月ごろから増え始め、12月から翌年の3月くらいまで流行が続きます。
今年(2018年)3月には、抗インフルエンザウイルス薬として、錠剤を1回服用するだけで済む新しい薬「ゾフルーザ」が発売されました(顆粒剤は薬価収載申請中)。とはいえ、インフルエンザにかからないことが最重要です。重症化しやすい子どもや高齢者はもちろんですが、現役世代の人も、自分のためだけでなく周囲へ流行を広げないためにもしっかり予防しましょう。
ワクチン接種は11月中に。発症の危険性を減らし、重症化を防ぐ
インフルエンザの予防法で、最も効果的とされるのはワクチンの接種を受けることです。ワクチンを接種しても、インフルエンザにかからないとはいいきれませんが、発病の危険性を減らし、かかったとしても重症化を予防することが期待できます。
65歳以上の、とくに持病のない健康な人の場合、ワクチンの接種によりインフルエンザの発症が半分以下になり、死亡危険度は80%以上低下した、との研究結果も出ています(厚生労働省「インフルエンザワクチンの効果に関する研究」、1997~1999年度による)。
ワクチンの効力は、接種の2週間後くらいから出始め、1カ月ほどでピークとなり、その後5カ月ほどかけて少しずつ低下していくため、11月中には接種を済ませておきたいものです。13歳未満の子どもは2回接種が必要なので、計画的に受けるようにしましょう。
予防には、免疫力を高め、しっかり手を洗い、冷えと乾燥を防ごう
インフルエンザは飛沫(ひまつ)感染と接触感染で広がります。飛沫は、せきやくしゃみで口から飛び出る、目に見えない細かいしぶきです。感染者の口からしぶきと一緒にウイルスが飛び出て、それを周囲の人が口や鼻から吸い込んで感染します。
また、感染者がせきやくしゃみを手で押さえた際にウイルスが手に付着。ドアノブなど、その手で触ったものを、別の人が触って手にうつり、さらに口や鼻を触って感染――これが接触感染です。
インフルエンザを防ぐには、以上の2つの感染経路をどちらもしっかり断ち切る必要があります。そのために、次のような生活習慣などを心がけましょう。
【飛沫感染も接触感染も断ち切るインフルエンザの予防法】
- 免疫力(体力)が弱っていると、インフルエンザに感染・重症化しやすくなる。食事、運動、睡眠などの生活習慣を見直し、免疫力を高めておく。
- 外出から帰ったとき、調理の前後、食事の前には、石けんでしっかり手を洗う。
- 体の冷えを防ぎ、室内は暖かくしたうえで湿度は50~60%を保つ。乾燥すると粘膜の防御機能が低下してウイルスに感染しやすくなる。
(インフルエンザの流行が始まったら)
- 不要不急のときはできるだけ、人混みや繁華街への外出を控える。
- せきが出る人は「せきエチケット」を守る。人にうつさない配慮が、周囲の人の「予防」になる。マスクを着用し、鼻までカバーする。せきをするときは、人がいないほうを向き、手のひらではなく腕(そで口)で口や鼻をおおうようにする。