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「咳」に注意、長引く場合は2週間をめどに早めに受診を

「咳」に注意、長引く場合は2週間をめどに早めに受診を

「急性の咳」のほとんどは、かぜやインフルエンザなどの感染症

咳(せき)は、空気の通り道である気道に、ホコリや細菌・ウイルスといった異物が入り込んだとき、体外に排除しようとして起こります。かぜにかかった際のありふれた症状の一つですが、長引く場合には、なんらかの重い病気の症状として現れている場合があるので、注意が必要です。

咳が出始めて3週間までの「急性の咳」のほとんどは、かぜなどの感染症によるものとされています。今年(2019年)は、今月(11月)上旬に早くもインフルエンザの流行期に入りましたが、いまの時期に突然の高熱や、それに伴う関節痛や悪寒、倦怠感などもみられた場合は、インフルエンザの感染が疑われます。

かぜやインフルエンザが長引くと肺炎を起こしやすくなります。肺炎のなかでも、マイコプラズマ肺炎は咳が多いことが知られています。百日咳は子どもの病気として知られていますが、大人が感染することも珍しくなく、しかも子どもよりも重症化しがちです。

長引く咳のほかに、微熱や痰、倦怠感がみられたら、結核かもしれません。戦後に流行した古い病気のイメージがあるかもしれませんが、現代でも感染の可能性があることを忘れないでください。

2カ月以上も続いているなら、ぜんそくやCOPD、おなかの病気の可能性も

3週間~8週間の咳は「遷延(せんえん)性の咳」と呼ばれ、感染性の急性の咳が長引いているケースもあれば、感染症以外の病気が始まっているケースもあります。

8週間(2カ月)以上も続いている「慢性の咳」の場合は、アレルギー病など、感染症以外の病気の可能性が高くなります。

代表的なのが、気管支に炎症が起こり、空気の通り道が狭くなるぜんそくです。これも子どもの病気と思われがちですが、中高年期にぜんそくを発症するケースもあります。呼吸の際に「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」といった喘鳴(ぜんめい)が鳴るのが特長であり、夜間や明け方に咳込みがちです。激しい咳込みから息苦しくなり、適切な治療を受けないと命にかかわる場合があります。

タバコを吸っている人や、かつて吸っていた人の長引く咳はCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の可能性があります。気管支やその末端にある肺胞という組織に炎症が起こり、咳のほか、痰、息切れが三大症状です。また、肺がんでも、咳が出ることがあります。

「慢性の咳」のなかには、以上のような呼吸器ではなく、おなかの病気が引き金になる咳もみられます。胃酸が胃から食道に逆流する胃食道逆流症があると、胸やけやげっぷに加え、食後を中心に咳込むことがあるのです。

なお、咳は、痰が多く、ゴホゴホいうような湿った咳と、痰が少ない、「コホン、コホン」といった乾いた咳に分けることもできます。湿った咳はぜんそくやCOPDなど、乾いた咳は、本格的なぜんそくに進みやすい咳ぜんそくをはじめ、胃食道逆流症、百日咳などでよくみられます。

市販薬などでセルフケア、マスクなどで咳エチケット、水分は十分にとって

咳が気になる場合、初期なら市販の「咳止め」もよいかもしれません。室内を適度な湿度・温度に保ち、水分を十分にとって、睡眠と栄養をしっかりとるようなセルフケアもおすすめです。人前に出るときは、マスクの着用など、「咳エチケット」もお忘れなく。

ただし、咳が、たまった痰を排出させるために出ている場合、安易に咳を止めてしまうと、痰が排出されなくなって肺炎を起こす恐れもあります。このような事態を避けるため、また、前述の重い病気を見逃さないために、遅くとも咳が出て2週間をめどにかかりつけ医を受診するようにしましょう。