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自分らしく生きるために「人生会議」を始めませんか

自分らしく生きるために「人生会議」を始めませんか

11月30日(いい看取り)は人生会議の日

「生きる時間が限られているなら、どう過ごしたい?」「大切にしたいことは?」――。人生の最終段階を迎えたとき、本人の希望に沿った治療やケアが受けられるよう、事前に家族や友人、医療・介護従事者らと話し合っておくことを「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」といいます。

ACPという言葉は聞き慣れなくても「人生会議」と聞いてピンとくる人はいるのではないでしょうか。高齢社会が進展するなか、厚生労働省はACPの愛称を「人生会議」と決め、「いい看取り・看取られ」の語呂合わせで11月30日を人生会議の日として、普及と啓発に力を入れています。

元気なうちから、自分の最期について考えを巡らし、書面に残そう

誰でも、いつでも命にかかわる大きな病気やけがをする恐れがあります。命の危険が迫った状態になると、約70%の人が、医療やケアなどを自分で決めたり、望みを伝えたりすることができなくなるといわれています*1。自分の思いをきちんと書面に残しておくことで、万が一、自分の気持ちを話せなくなってしまったときに、家族に心の声を伝えることができます。

人生100年時代を迎え、2025年には高齢者の5人に1人が認知症になる*2といわれるなかで、事前に自分の最期に対する意思を明らかにする人生会議は重要といえます。また、見送る家族にとっても納得のいく最期は大きな意味を持ちます。

コロナ禍の今こそ、家族で人生会議の場を設けよう

新型コロナウイルスの猛威は世界中に広がり、その脅威はいまだ収まらない状況です。身近で元気だった人や著名人の突然の訃報に、価値観や死生観を揺さぶられた人もいるでしょう。

日本老年医学会は、高齢者が新型コロナウイルスに感染すると、周囲との意思疎通が困難になる恐れがあるとし、最善の医療・ケアを受ける高齢者の権利を守るため、ACPを早めに行うよう呼びかける提言を今年(2020年)8月に発表しました。

コロナ禍の影響で、これまでであれば家族が集い、話し合う機会になっていたお盆休みも、今年は感染を避けるために帰省しなかった人も多いといいます。それでも、家族の行く末を話し合うことは大切なことです。人生会議の日をきっかけに、自身の希望や健康、家族の絆など、さまざまな視点から残りの時間に思いを巡らせ、より豊かに今後を生きるにはどうしたらよいかを話し合ってみてはいかがでしょうか。

話し合いの進め方の一例

  • ステップ1 自分が大切にしていることは何かを考える
    病気になったときに、どんなことを優先してほしいか、病気になった後の生活場所はどこを希望するか(住み慣れた自宅でできる限り過ごしたいなど)等。
  • ステップ2 その希望を叶えるために協力してもらえる人がだれかを考えてみる
    パートナー、子どもの他に、ケアマネージャーや施設の職員など。
  • ステップ3 話し合いの内容を医療・介護従事者に伝える
    病状が悪化し、自分の考えが伝えられなくなったときに、自分が望んでいたことと家族の考えが違うときはどうしてほしいかなど。

参考文献

  • *1 Silveira MJ,NEJM2011
  • *2「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」(平成26年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業 九州大学二宮教授)