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コロナ禍の在宅勤務などの影響で、受動喫煙の割合が増加

コロナ禍の在宅勤務などの影響で、受動喫煙の割合が増加

国立がん研究センターが新型コロナとたばこに関するアンケートを実施

新型コロナウイルスと喫煙については、科学的な研究において、感染時の重症化や死亡リスクとの関連が高いことが示されています。その一方で、生活様式の変化に伴いストレスの増加などによる喫煙量の増加や、在宅時間の長期化による受動喫煙の増加が懸念されています。

そこで、国立がん研究センターは、成人男女2,000人(喫煙者、非喫煙者、各1,000人)を対象に、新型コロナウイルスとたばこに関するアンケート調査を行いました。

生活の変化によるストレスの影響で、喫煙量が増えている人が増加

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、感染予防のための外出自粛が推奨されるとともに、企業によってはテレワークが推奨され、在宅時間が増加しています。喫煙者を対象に、 「外出自粛やテレワークによって、喫煙本数や喫煙量が増えているか」と質問したところ、増えた人が18.0%、変わらない人は69.6%、減った人は11.4%、ほぼやめることができた人は1.0%でした。喫煙が増えた理由は、「ストレスが増加したため」が最も多く49.4%、次いで「職場は禁煙だったが自宅は制約がないため」が33.9%、「職場では周囲の目が気になるが、自宅では周囲の目が気にならないため」が10.0%の順でした。

喫煙する同居人がいる人に「在宅時間が増えたことにより、同居人の喫煙による受動喫煙が増えているか」を尋ねた質問では、「増えている」と答えた人が34.0%に上りました。

たばこの煙には多くの有害物質が含まれ、受動喫煙で吸い込む副流煙には、ニコチンなどの有害物質が主流煙の数倍も含まれています。そのため、他人の煙を吸い込む受動喫煙により、非喫煙者でもさまざまな病気のリスクが高まります。成人では脳卒中や肺がん、子どもはぜんそく、妊娠中の女性では子どもの突然死などの原因になります。喫煙者の喫煙量が増えていることで、非喫煙者についても健康への悪影響が懸念されます。

喫煙者と非喫煙者の間には、新型コロナ重症化リスクの認識に大きな差が

また、「新型コロナウイルスに感染した際に、喫煙者は重症化しやすいと思うか」を聞いたところ、非喫煙者は58.7%の人が「重症化しやすいと思う」と回答したのに対し、喫煙者は36.5%と20ポイント以上の大きな差がありました。「どちらともいえない」と回答した非喫煙者は18.2%で、喫煙者は39.4%と、こちらは倍以上で20ポイントの差となっていました。

喫煙所ではマスクを外したり、鼻や口からずらしたりしてたばこを吸いますが、「喫煙所は新型コロナウイルスが感染しやすい場所だと思うか」を聞いたところ、非喫煙者は「思う」が63.4%だったのに対し、喫煙者は39.4%と約25ポイントもの開きがありました。

これらの結果をみると、喫煙者は非喫煙者に比べ、新型コロナウイルス感染症とたばこの関連についての認識が甘いことが伺えます。

世界保健機構(WHO)はホームページ上で、「たばこを止めるべき100以上の理由」を公表しています。その理由の1つ目として、新型コロナウイルスの重症化および死亡リスクを挙げており、家族や友人の健康をおびやかすことに関しても10以上の理由を挙げています。喫煙者の方は、この機会に禁煙について考えてみましょう。