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炭水化物のとり過ぎは、さまざまな病気による死亡リスクがアップ

炭水化物のとり過ぎは、さまざまな病気による死亡リスクがアップ

GIとGLは食後の血糖値をどの程度上昇させるかの指標

私たちの主食である米、パン、麺類や、いも類には炭水化物が多く含まれています。炭水化物は重要なエネルギー源となりますが、摂取すると血糖値が上昇し、とり方によってはさまざまな慢性疾患に影響を与える可能性があります。

食事に含まれる炭水化物が、食後の血糖値をどのように上昇させるかを表す指標として、GI(グリセミック指数)とGL(グリセミック負荷)があります。GI値とは、食事全体に含まれる炭水化物を摂取した後の血糖値の上がり方を示した指標です。短時間で血糖値が上がりやすい食品の多い食事は、GI値も高くなります。一方のGL値とは、その食事から摂取する炭水化物の質(血糖値の上がりやすさ)だけでなく、量も示した指標です。血糖値を緩やかに上昇させる食品が多い食事内容であっても、摂取量が多ければ食事のGLは高くなります。逆に、血糖値を急激に上昇させる食品の摂取が多い食事であっても、摂取量が少なければ食事のGLは低くなります。

GI値が高いグループで全死亡リスクが上昇

国立がん研究センターや東京大学などの研究グループは、1990年に岩手、秋田、長野、沖縄、東京、1993年に新潟、茨城、高知、長崎、沖縄、大阪の11の保健所管内に在住していた45~74歳の男女約7万人を対象に、2015年まで追跡調査を行いました。研究グループは、GI値およびGL値を算出し、それぞれを数値に応じて4つのグループに分け、その後の全死亡および主要な死因別にみた死亡リスクとの関連を調べました。

GI値と死亡リスクの関係を解析した結果、GI値が高いほど全死亡リスクは高く、GI値が最も低いグループに比べ、GI値が最も高いグループの全死亡リスクは14%高いことがわかりました。さらに、死因別ではGI値が最も低いグループに比べ、GI値が最も高いグループは、循環器疾患で28%、心疾患で33%、脳血管疾患で32%、呼吸器疾患で45%、それぞれ死亡リスクが上昇しました。

一方、GL値については、全死亡リスクとの関連はみられませんでしたが、循環器疾患と脳血管疾患では、GL値が高いほど死亡リスクが高くなりました。

炭水化物は大切な栄養素だが、急激な血糖値上昇には注意が必要

このことは、食後の血糖値の上昇と、血糖値を下げる働きをもつホルモンであるインスリンが多く分泌された状態が長く続くと、循環器疾患や心疾患、脳血管疾患リスクが高まることを示していると考えられます。
炭水化物をとるときは量だけでなく、食べ方にも注意しましょう。

血糖値の急上昇を避ける食べ方

①ゆっくりとよく噛んで食べる
ゆっくりとよく噛んで食べれば、糖質の吸収が遅くなり、食べすぎる前に満腹中枢が働いて、糖質のとり過ぎを防ぐことができます。

②食べる順番を工夫する
最初に野菜などの食物繊維の多いおかずをとり、次に肉や魚、最後に主食という順番に食べると、糖質の吸収がゆっくりになり、血糖値の急上昇を抑えられます。

③食物繊維を積極的にとる
野菜、海藻、きのこ類に多く含まれる食物繊維は、糖質の吸収速度を遅くしてくれます。主食は、食物繊維を多く含む雑穀ごはん、玄米、全粒粉パンなどがおすすめです。