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年末年始、餅による窒息事故にご注意を

年末年始、餅による窒息事故にご注意を

正月三が日は、餅による窒息事故が多発

餅を食べる機会が増える年末年始、毎年、窒息事故が多発しています。消費者庁の調査では、餅による窒息死亡事故の43%が1月に発生しており、とくに正月三が日に多いことが指摘されています。また、男性の死亡者数は女性の2.6倍も多いことが明らかになっています。

餅は粘りがあり、くっつきやすく噛み切りにくい食べ物です。とりわけ高齢になると、唾液の分泌量が減り、食べ物を噛む力や飲み込む力が衰えたりしていて、窒息のリスクが高まります。年末年始を迎えるにあたり、事故防止のポイントや応急手当の方法を確認しておきましょう。

餅を食べるときの注意点

●餅は小さく切り、食べやすい大きさにする。

●お茶や汁物などを飲み、のどを潤してから食べる(ただし、よく噛まないうちにお茶などで流し込むのは危険)。

●一口の量は無理なく食べられる程度にする。

●ゆっくりと噛んでから飲み込むようにする。

万が一に備えて、応急手当の方法を確認しよう

また、高齢者が餅を食べるときには、周りの人も食事の様子に注意を払いながら見守ることも大切です。そして、万が一、窒息事故が起きてしまった場合は、直ちに救急へ通報(119番)し、速やかに異物除去の応急手当を行いましょう。異物除去には、「腹部突き上げ法」と「背部叩打法(はいぶこうだほう)」があります。可能であれば、腹部突き上げ法を優先し、効果がなければもう一方を試みます。異物が取れるか、意識がなくなるまで続けます。妊婦や乳児では、腹部突き上げ法は行わず背部叩打法のみ行います。

東京消防庁のホームページでは、応急手当の具体的な方法を動画で紹介しています。時間のあるときに一度確認しておくと、いざというときに慌てずにすむでしょう。

腹部突き上げ法

1.のどを詰まらせた人の後ろに回り、両方の手をわきから通す。

2.片方の手で握りこぶしをつくり、へそとみぞおちの中間くらいの場所に当てる。

3.こぶしをつくった手を、もう片方の手で握り、ななめ上に瞬時に引き上げる。

※腹部突き上げ法を実施した場合は、腹部の内臓を傷める可能性があるため、救急隊にその旨を伝えるか、速やかに医師の診察を受けさせる。

背部叩打法

1.のどを詰まらせた人の後方から片手をわきの下に入れ、胸と下あご部分を支えて突き出し、あごを反らせる。

2.両側の肩甲骨の間あたりを、もう一方の手のひらの付け根の部分で強くたたく。

乳児の背部叩打法

1.乳児をうつぶせにし、そのおなか側に片腕を通す。

2.指で乳児の下あごを支えて突き出し、上半身がやや低くなる体勢にする。

3.もう一方の手のひらの付け根で、肩甲骨の間を4回から5回、強くたたく。