水分補給のポイントをおさえて、熱中症を防ごう!
熱中症が起きる要因を知っておこう
熱中症の発症は年々早まり、梅雨の時期からそのリスクが高まるといわれています。その理由として、湿度が高いために汗が蒸発しにくいうえ、体が暑さに慣れておらず、汗をかく機能が衰えているといった点が指摘されています。また、梅雨の晴れ間に気温・湿度が急上昇するために熱中症になりやすいことが報告されています。
熱中症は、次の3つの要因がからみ合って起こります。
環境……気温が高い、湿度が高い、風が弱いなど
体……体調不良、睡眠不足、二日酔い、暑い環境に順応できないなど
行動……激しい運動、長時間の屋外活動、水分の摂取不足など
その結果、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がたまってさまざまな障害が生じます。最悪の場合、命に関わることもあります。高齢者や乳幼児は、特に注意が必要です。
熱中症対策の基本は水分補給
汗をかいたり、血流を促すためには、水分が欠かせません。暑くなる前に水分補給の基本を理解し、熱中症を防ぎましょう。
●水分補給をするタイミング
のどが渇いてからではなく、起床時や運動前後など飲むタイミングを事前に決めて、習慣にしましょう。高齢者など熱中症リスクの高い人は、「1時間おきに飲む」というように時間を決めておけば、飲み忘れが防げます。
●補給する水分の量
一度に大量の水分を摂取しても、体は吸収しきれません。コップ1杯ぐらい(200㎖)をこまめに飲むことを心がけましょう。
●補給する水分の温度
運動後など体温が上昇しているときは、冷たい水を飲むほうが効率的に体を冷やすことができます。日常的な水分補給は、お好みの温度で問題ありません。
なお、お茶やコーヒーは利尿作用があるため水分補給に適していません。基本は水や麦茶にし、運動で汗をかいたときはスポーツドリングで補いましょう。
室内環境・体調・気象条件にも気を配る
そのほかの熱中症対策として、熱が体にたまるような環境を避けることが大切です。また、体調にも配慮しましょう。
●気象条件(温度・湿度・日差し・風など)
気象情報をこまめにチェックして、気温の高い時間帯の外出を避けましょう。
●室内環境(冷房・除湿・扇風機など)
エアコンを使用しましょう。扇風機を併用して空気を循環させたり、カーテンで光をさえぎると、効率よく室内を冷やすことができます。
●体調(糖尿病・肥満・二日酔いなど)
糖尿病や心臓病などの病気や肥満の人は、体温調節がうまくできず、熱中症になりやすいといわれています。個々の体調に配慮した水分補給を行い、急激に体温が上がらないよう涼しい時間帯に体を動かしましょう。二日酔いや睡眠不足のときは無理せず体を休めましょう。
また、汗をかく機能が衰えた汗腺は、暑さトレーニングをして、汗を上手にかけるようにしましょう。これを暑熱順化(しょねつじゅんか)といいます。具体的には、暑い時間帯を避け、軽いウォーキングやサイクリングなどを行います。半身浴でも汗腺の働きを高めることができます。