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女性に多い骨粗しょう症。早いうちに検査を受け、骨を強くする生活習慣を

女性に多い骨粗しょう症。早いうちに検査を受け、骨を強くする生活習慣を

骨粗しょう症は、骨の量や質が低下して、骨がスカスカになった状態をいいます。骨粗しょう症になると、骨折しやすくなり、要介護状態になるリスクが高くなります。一度は自身の骨の状態を調べる検査を受け、骨を強くする生活習慣を身につけましょう。

骨粗しょう症の推定患者数は1,280万人。しかし、受診率はわずか5.3%

骨粗鬆症財団の報告によると、骨粗しょう症の推定患者数は約1,280万人。男女別では男性約300万人に対し、女性は約980万人と、女性が男性の約3倍多いとされています。一方、令和3年度の骨粗しょう症検診の受診率(女性)はわずか5.3%と、非常に低いことが課題となっています。

厚生労働省は先ごろ、2024年度から開始される「健康日本21(第三次)」の推進に向け、基本的な方針を公表しました。第三次で追加された新しい目標の1つが、令和14年度に向けて骨粗しょう症検診の受診率を15%まで向上させるというものです。

健康寿命の延伸には、骨を丈夫に保ち、骨折を防ぐことが大切

骨には、古い骨を壊す破骨(はこつ)細胞と骨を形成する骨芽(こつが)細胞があり、その働きによって骨は新しく作り替えられ、丈夫に保つことができます(骨代謝)。ところが、加齢や閉経による女性ホルモンの減少、カルシウム不足などがあると、骨代謝のバランスが崩れ、骨量が減少し、骨がスカスカになってしまいます。

骨粗しょう症は、自覚症状がほとんど現れないまま進行するといわれています。骨がもろくなると、日常の些細な動作で手首や背骨、足のつけ根などが骨折しやすくなり、一度骨折すると治療が長引いたり、次の骨折が起こるリスクが高まります。骨粗しょう症による骨折は、寝たきりや介護が必要になる原因の1つなのです。

骨粗しょう症検診では、骨の強さを測定するために、X線や超音波で骨密度を調べます。また、骨の新陳代謝の速度を調べる骨代謝マーカーという検査(血液・尿検査)もあります。

骨粗しょう症検診の受診率が向上すれば、骨粗しょう症の早期発見・早期治療を促し、骨折を減少させ、ひいては健康寿命の延伸につながると考えられています。できれば40代のうちに一度検査を受けましょう。

運動・食事・日光浴で骨を強くしよう

骨は、生活習慣の改善により、強くすることができます。食事や運動などの生活習慣を見直しましょう。

●運動
ウォーキングなど骨に刺激が加わる運動を行うと、骨芽細胞の働きが活発になります。また、下半身の筋肉やバランス力を鍛え、転倒しない体づくりも大切です。
・ウォーキング/ジョギング
・スクワット
・かかとの上げ下げ
・片脚立ち など

●食事
骨の材料になるカルシウムに加え、カルシウムの吸収を促進するビタミンD、カルシウムを骨に沈着させる働きをもつビタミンKをとりましょう。
・カルシウム…牛乳・ひじき・小松菜・豆腐 など
・ビタミンD…鮭・しいたけ・しらす など
・ビタミンK…小松菜・モロヘイヤ・納豆 など

●日光浴
紫外線を浴びると、骨をつくるうえで欠かせないビタミンDが皮膚で生成されます。紫外線の浴びすぎは肌トラブルや皮膚がんなどのリスクを高めますが、適度な日光浴はおすすめです。