WHOが緊急事態宣言した「エボラ出血熱」って?

西アフリカで流行

2014年3月以降、西アフリカのギニア、シエラレオネ、リベリアを中心に、過去最大規模でエボラ出血熱が流行しています。世界保健機関(WHO)は同年8月8日、エボラ出血熱について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。今後さらなる感染拡大が予想され、深刻な事態となっています。厚生労働省は、現時点(2014年8月11日現在)の日本国内でのエボラ出血熱が流行する可能性はほぼないとしていますが、エボラ出血熱について正しく理解しておきましょう。

 

エボラ出血熱とは

エボラ出血熱は、エボラウイルスによる感染症です。症状が出ている患者の血液、分泌物、吐物・排泄物や、患者の体液などに汚染された物質に接触した場合に、傷口や粘膜からウイルスが侵入し感染します。空気感染はしません。感染からの進行が早く、2〜21日の潜伏期の後、発熱、頭痛、倦怠(けんたい)感、筋肉痛、のどの痛みなどの症状が現れます。続いて嘔吐(おうと)、下痢、出血(吐血、下血)が起こり、死に至ることが多い病気です。

エボラ出血熱は、1970年代以降、中央アフリカでたびたび流行が確認され、そのたびに周辺で生態調査が行われていますが、現在のところ、自然宿主は分かっていません。また、承認済みのワクチンや特異的な治療法はないため、基本的には症状に応じた対症療法が行われます。ただし、WHOは2014年8月12日、開発段階にある未承認薬の患者への投与について、一定条件を満たせば容認する考えを示すなど、治療薬への議論が進められています。

 

日本国内で流行する可能性は?

厚生労働省はエボラ出血熱に関して、インフルエンザなどとは異なり、空気感染をしないこと、流行地域がアフリカに限られていることから、通常の日本人旅行者がアフリカ以外の渡航先で感染するリスクは低く、日本国内での流行もほぼないとしています。

流行地域に渡航する必要がある場合は、厚生労働省検疫所や外務省の海外安全情報のホームページから、最新情報を確認するようにしましょう。