感染者が増えている「デング熱」ってどんな病気?

国内では約70年ぶりに感染確認

2014年8月に日本国内でデング熱の感染が確認されてから、続々とデング熱の感染者が増え続けています。国内の感染者は現時点(2014年9月2日現在)で、いずれも最近の海外渡航歴はなく、代々木公園(東京)やその周辺を訪れていたことがわかっています。デング熱は以前から、海外の流行地で感染し帰国した症例は毎年200人前後報告されていましたが、国内で感染した症例は1945年以降確認されていませんでした。そのため、約70年ぶりの国内感染が確認されたことになります。

デング熱はごくまれに死に至るケースもありますが、多くは予後が比較的良好な感染症です。正しい情報をもち、感染の可能性のある場所へ行く場合は予防をしっかり行いましょう。

 

感染経路は「蚊」

デング熱は、デングウイルスに感染しておこる急性の熱帯性感染症です。感染経路の多くは、ウイルスに感染した蚊(ネッタイシマカ・ヒトスジシマカ)です。蚊がウイルスに感染した患者を吸血すると、蚊の体内でウイルスが増殖し、その蚊が別の人を吸うことで、感染が成立します。人から人に直接感染はしません。同じように、蚊を媒介して感染する病気に、日本脳炎やマラリアがあります。

デング熱の主な症状は、蚊に刺されてから3〜14日の潜伏期間後、突然発熱し、頭痛や眼窩(がんか)痛などを引きおこします。その後、全身の筋肉痛、倦怠感(けんたいかん)、発疹などがおきます。症状は1週間程度で回復します。また、感染しても発症しない症例も多くあります。

しかし、ごくまれに、発熱が終わり平熱に戻るころに血液中の液体成分(血漿:けっしょう)が血管から漏れ出したり、出血症状が現れることがあります。この場合はデング出血熱と呼ばれ、適切な治療を受けないと死に至る可能性があります。

 

国内での感染の可能性は

デング熱は、東南アジアをはじめとする熱帯や亜熱帯の全域で流行しています。厚生労働省は、「日本国内のほとんどの地域(青森県以南)には、デング熱の媒体能力のあるヒトスジシマカが生息しているため、感染する可能性は低いながらもあり得る。ただし、ウイルスに感染した蚊が冬を越えて生息はできず、卵を介してウイルスが広がることも確認されていないため、限定された場所での一過性の感染とも考えられる」としています。

現在のところ、デング熱に対する特別なワクチンや治療法はないため、症状に合わせた対症療法のみの治療となります。流行地域や公園などの蚊の好む場所に行く予定の人は、長袖長ズボンの着用や虫除けスプレーなどの予防を忘れずに。国立感染症研究所や厚生労働省のホームページなどから、最新情報を確認するようにしましょう。