春から流行「リンゴ病(伝染性紅斑)」、妊婦さんは要注意

今年はすでに首都圏を中心に流行傾向。大人も発症する

先日(2015年3月1日)、20代の力士が伝染性紅斑によって入院していることが報じられました。

伝染性紅斑とは「リンゴ病」という通称のとおり、頬が発疹によって赤くなることで知られている感染症です。学童期(6歳から12歳くらい)にかかることが多く、一度かかるとほとんど再発しませんが、成人での発症も見られます。

今年は東京都や神奈川県を中心に、年明けから感染者が増加。2月に入り少し減りましたが、過去5年間の平均よりも高い状態で推移しています(国立感染症研究所の報告による)。例年、全国的に春から夏にかけて患者数の増加が見られ、7月ごろにピークを迎えることから、これからさらに注意が必要です。

 

ウイルスが原因。大人はかぜに似た症状のみのことも

伝染性紅斑の原因となるのは、「ヒトパルボウイルスB19」というウイルスです。かぜと同様に、このウイルスに感染した人の咳やくしゃみなどのしぶきに触れたり、ウイルスのついた手指やドアノブなどに触れたりすることで感染します。

感染すると、10日から20日くらいの長い潜伏期間を経て、両頬に赤い発疹が現れます。続いて体や手足に網目状の発疹が広がりますが、これらは1週間程度で消失します。大人では、発疹が出ずに関節痛や頭痛などが出るケースもあります。

原因ウイルスに対する特効薬がないため、症状に応じた治療となりますが、重症化せずに自然に回復することがほとんどです。

 

発疹が出る前が最もうつりやすい。妊娠初期は胎児に影響が出るおそれ

予防方法も、手洗いやうがい、マスクといった通常の感染症と同様です。

ただし、妊娠中(特に妊娠初期)に感染すると、まれに胎児水腫という胎児の異常や、流産につながる場合があるので、妊娠中の女性の周囲や、家族の通う保育園や学校で伝染性紅斑が流行している場合には、厳重な注意が必要です。

患者さんから伝染性紅斑の原因ウイルスが最も多く排出されるのは、実は、頬に発疹が出るよりも1週間ほど早い時期であることがわかっています。このときには微熱やかぜのような症状が出ていることが多いのですが、「ただのかぜ」と思って過ごしてしまいがち。

妊娠中の女性の家族にかぜのような症状が出たら、なるべく接触を避け、十分な感染症対策を行いましょう。