台風やゲリラ豪雨など、水害が増える夏。事前に対策を
年々増えるゲリラ豪雨。都市部・山間部問わず各地で被害
レジャーに出かけることの多いこの時季は、台風やゲリラ豪雨(局地的な大雨)、竜巻、雷といった自然災害が増える時季でもあります。
特に近年、地球の温暖化やヒートアイランド現象などにより、ゲリラ豪雨の発生が増えています。山間部では大雨によって土砂崩れが起き、コンクリートに覆われている都市部では、川が氾濫したり地下が浸水したりといった被害が各地で起きています。
昨年(2014年)は、21の地域で床上浸水10棟以上の被害が生じる水害が起き、今年もすでに梅雨前線や台風の影響などで、水害が発生した地域があります。
ハザードマップや連絡手段を確認し、屋内外の対策をチェック
天気予報からの予測が難しいゲリラ豪雨であっても、あらかじめ対策をしておいたり、知識をもっておけば、被害を少なくすることはできます。備えと危険回避のポイントを知っておきましょう。
・周辺地域の水害リスク、避難場所の確認
自宅や自宅周辺、勤務地などの浸水範囲や浸水した際の水深のレベル、土砂災害危険箇所などは、自治体や国土交通省が提供する「ハザードマップ」に記載されています。どの程度の危険があるか、どんな備えが必要かを確認しましょう。
また、ハザードマップや防災マップなどで、避難場所や避難経路もチェックし、できるだけ事前に実際に歩いて、周囲の安全を確認しておきましょう。
・家庭内の連絡手段の確認
離れたところにいる家族の安否確認には、「災害用伝言ダイヤル」(局番なしの171)や「災害用伝言板」 (https://www.web171.jp/、または各携帯電話会社固有の「災害用伝言板」Webページ、アプリなど)が利用できます。 いざというときのために、家庭内で利用方法を確認しておきましょう。
・非常用品の準備や、住居の補強・浸水対策
備蓄品や非常用持ち出しバッグの確認・補充はもちろんのこと、排水溝や雨どいの掃除をして、家周りの水はけをよくしておきましょう。
窓や雨戸、シャッターを点検・補強し、台風やゲリラ豪雨が予想される場合はそれらを閉め、窓の手前や玄関前、敷地の周囲に土のうを積んでおくと水の侵入を防ぐことができます。特に低地にある住宅では、排水溝から室内へ下水が逆流することがあるので、排水溝も土のうや水のうでふさいでおくことが必要です。
巨大な積乱雲(入道雲)が広がってきたら、早めに危険回避
台風は天気予報によって、おおむね正確な予測ができます。最新の情報を収集し、なるべく外出を控え、海や川などの水際に近づかないようにしましょう。
気象庁が昨年8月より開始した「高解像度降水ナウキャスト」では、 30分先までの降水域の分布を250m四方の細かさで予測し、5分間隔で提供しており、ゲリラ豪雨の予測に役立ちます。スマートフォンでも確認できる ので、こまめにチェックするようにしましょう。
また、空の様子から、ある程度自分で予測することもできます。突然空が暗くなって、もくもくと巨大な積乱雲(入道雲)が広がってきたら、雷やひょう、ゲリラ豪雨、竜巻などが起こる恐れがあります。特に、涼しい風がサーッと吹いて雷が聞こえてきたら、発生の確率大。屋外にいるときは、屋内に避難したり、地下から地上に出たり、川や水路、田んぼなどから離れたりしましょう。車での移動中は、アンダーパス(線路などの下をくぐる道路)は車が動かなくなる危険があるので、通行しないようにしましょう。
なお、避難勧告や避難指示が発令されているとき、危険が迫っていると判断される場合は、できるだけ浸水前に早めの避難が必要です。
すでに浸水していて移動が危険な場合や、浸水が浅いと予想される場合は、状況に応じて自宅や近所の建物などの2階以上に避難しましょう。