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最新のがん罹患数は86.5万人。初めて全都道府県の比較が可能に

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男性では大腸がんが2位へ急上昇。女性の乳がん1位は変わらず

先月(2016年6月)末、国立がん研究センターでは、「全国がん罹患モニタリング集計 2012年罹患数・率報告」を発表しました。

「全国がん罹患モニタリング集計」は、各都道府県の「地域がん登録」のデータを元に、日本全体のがん罹患(1年間に新たにがんと診断される人)の推計値を算出するものです。1950年代から一部の県で収集が開始されてから、参加都道府県が年々増加し、今回の2012年分からは埼玉県や東京都、福岡県が初参加するなどして、初めて47全都道府県の登録データが揃いました。

それによると、2012年の罹患数の推計は男性約50万4千人、女性約36万1千人で、男女合わせると約86万5千人となり、前年よりも1.4万人増えていました。ただし、高齢化の影響を除いた「年齢調整罹患率」は前年よりもわずかに減少しており、増加に歯止めがかかったことがわかります。

部位別にみると、男性では胃がん、大腸がん、肺がん、前立腺がん、肝がんの順で、前年4位だった大腸がんが2位に急上昇。これは、前立腺がんの増加が頭打ちになり、大腸がんが増加したためと考えられています。女性では乳がん、大腸がん、胃がん、肺がん、子宮がんの順で、順位の変動はありませんでした。

日本全体の罹患数と死亡数を比較すると、地域差がみられる

この報告書では、今回初めて全都道府県での比較が可能になったことから、都道府県間の年齢構成の差を調整したうえで、全国推計値を100としたときの罹患数と死亡数の比較(それぞれ罹患比、死亡比)が調査されています。

それによると、全部位では男性は北海道、東北地方および山陰、九州北部で死亡比が高く、罹患比もほぼ同様。女性も似た傾向にはあるものの、宮城、東京、大阪、福岡といった都市圏の死亡比が高く、罹患比ではその傾向がより強調されていました。

胃がんは男女ともに東北地方および日本海側の県で罹患比が高く、死亡比も罹患比ほど明らかではないものの、同様の傾向がみられました。また、大腸がんは罹患比、死亡比ともに北海道、東北地方、中部地方において高くなっていました。肺がんは男性では罹患比、死亡比ともに北海道と青森県、近畿圏で高く、女性では男性ほど偏りがないものの、北海道や近畿、九州北部に多い点は共通しており、東京の数値も高くなっていました。

女性の乳がんは、東京都の数値が非常に高く、ほかに長野や三重、広島、愛媛、福岡で高くなっていましたが、地方の偏りは見られませんでした。男性の前立腺がんは、偏りなく全国に散在していました。

これらは、あくまで日本全体を俯瞰した場合の傾向の違いにとどまりますが、地域差には細菌やウイルス感染の分布、生活習慣や環境の違いが関連していると想定されます。

高齢化に伴い、がんの罹患数や死亡数は年々増加しているため、一人ひとりが生活習慣の改善や積極的な検診受診に努め、がんの予防と早期発見につなげましょう。