心筋梗塞や脳梗塞の発症確率がわかるリスクチェックがWebに公開
男女ともに平均寿命が長くなるものの、国際比較での順位は下がる
先日(2016年7月27日)、厚生労働省は、毎年作成している「簡易生命表」の平成27年版を公表しました。それによると、男性の平均寿命は80.79年、女性は87.05年となり、それぞれ前年を0.29年、0.22年上回って過去最高を更新しました。平均寿命の男女差は、6.26年となり前年より0.07年減少しました。
ただし、平均寿命の国際比較では、女性では日本は前年まで3年連続世界第1位でしたが、今回は香港よりも0.27年下回って第2位に。また、男性も第1位の香港、第2位のスイス、アイスランドに続き第4位となり、前年の第3位から1つ下がりました。
心臓病、脳卒中、肺炎による死亡確率が低下
さらに、同統計では、「ある年齢の者が将来どの死因で死亡するかを計算し、確率の形で表した」死因別死亡確率を算出しています。
日本人の主要な死因であるがん(悪性新生物)、心臓病(高血圧性を除く心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)、肺炎について見てみると、2015年に0歳の人の死亡確率は、男女ともにがんが最も高く、次いで心臓病、肺炎、脳卒中の順となっています。65歳では男女とも0歳に比べてがんの死亡確率が低く、他の3つの死因での死亡確率が高くなり、75歳ではこの傾向がさらに強まっています。一方、90歳では男女ともに脳卒中の死亡確率が75歳よりも低くなっていました。
前年と比較すると、がんの死亡確率は男女とも0歳、65歳では低下していますが、90歳では上昇。また、心臓病、脳卒中および肺炎の各死亡確率は、0歳、65歳、75歳、90歳のすべての年齢で男女ともに低下しています。医療技術の進歩により、それらの病気での死亡率が低下したことが、平均寿命の延伸につながっていると考えられます。
健康寿命との差はまだ大きい。若いうちから生活習慣と健診受診に留意を
とはいえ、わが国では平均寿命と健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることのない期間)の差が問題視されています。日本人の健康寿命は、2010年の男性70.42年、女性73.62年に対し、最新の2013年の調査では男性71.19年、女性74.21年(厚生労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」による)。徐々に延びてはいるものの、平均寿命との間には10年ほどの差があり、その間は介護が必要となるなど、不健康な期間といえます。
一人ひとりが適切な生活習慣と健診・検診受診を心がけて、生活習慣病やロコモ(ロコモティブシンドローム、運動器症候群)の発症予防や重症化予防に努め、心身ともに健康な状態で長生きすることを目指しましょう。