心筋梗塞や脳梗塞の発症確率がわかるリスクチェックがWebに公開
8月後半以降も残暑厳しく、全国的に警戒が必要
今年(2016年)のお盆は猛暑日が続き、週末の13、14日には全国で少なくとも計770名以上が熱中症や熱中症とみられる症状で医療機関へ搬送されたと報道されました。そのうちの5名が重体だったということです。
日本気象協会の7月の予測では、今年は今後も昨年並かそれ以上に残暑が厳しく、9月になっても熱中症に警戒が必要と発表されています。体が冷房の涼しさに慣れてしまった休日明けや、比較的涼しい日が続いたあとに急に暑くなった日などは、熱中症になりやすいので要注意。
のどの渇きを感じなくても、こまめに水分(水や麦茶など、カフェインが含まれないもの。アルコール飲料は不適切)をとることが重要です。特に入浴や睡眠、軽い運動の前後にはコップ1杯の水を欠かさずにとりましょう。
早期対応のために、症状と重症度を把握しておこう
熱中症は、屋内外、日中・夜間を問わず起こります。特に高齢者は、寝ている間の発汗による脱水程度でも引き金になって体温を下げられなくなり、就寝中に熱中症、というケースが珍しくありません。若い人でも、昼間に大量の汗をかいたときなど、そのときは大丈夫でも、夜、床に就くころになってめまいなどの熱中症の症状が出ることがあります。
対応が遅れると重症化することもあるので、以下の重症度とケアの方法を知っておき、症状に早めに気づいて適切な応急処置をしましょう。
熱中症の重症度とケア(「熱中症診療ガイドライン2015」による)
- 1度(応急処置と見守り)
→症状が徐々に改善している場合のみ、現場の応急処置と見守りでよい。
症状:めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、こむら返りなど
治療:涼しい場所で安静にし、体を冷やし、水分とナトリウム(食塩)を補給 - 2度(医療機関へ)
→2度の症状や、1度でも改善が見られない場合は、すぐに病院へ搬送。
症状:頭痛、嘔吐(おうと)、倦怠(けんたい)感、虚脱感、集中力や判断力の低下
治療:医療機関へ受診。体温管理や安静、経口か点滴での水分とナトリウムの補給 - 3度(入院)
→3度かどうかは救急隊員や病院到着後の診察・検査によって診断。
症状:意識障害やけいれん発作、肝・腎機能障害、血液凝固異常など
治療:入院して治療。体温管理、呼吸・循環管理など
(「日本救急医学会熱中症分類2015」より編集部にて作成)
自力で水分がとれない、意識がはっきりしない、全身がけいれんしているといった場合は救急車の手配などを急いでください。意識がある場合でも、本人の水の飲み方などをよく観察して周囲が早めに判断し、重症化を防ぐことが大切です。