文字サイズ

再発の多い膀胱がん。60歳以上の喫煙男性は血尿に注意

再発の多い膀胱がん。60歳以上の喫煙男性は血尿に注意

男性は女性の4倍かかりやすい。自覚症状は血尿や頻尿、排尿時痛

今月(2018年12月)、かねてから膀胱がんを患っていた70歳代の男性アナウンサーが、膀胱の全摘除術を無事に終えたことが報道されました。男性は3年前に膀胱がんが見つかり、手術をしています。しかし、他の臓器へ広がりをみせているがん(浸潤がん)が取り切れておらず、出血などがあるために内視鏡による全摘除術を行ったということです。

膀胱がんは、膀胱の内側にある尿路上皮ががん化することで起こります。国立がん研究センターの部位別がん罹患率(2014年データ)では、男性では1年間に人口10万人あたり25、女性で7.8と男性に多く、女性の4倍とされています。

男女とも60歳以降で増加し、40歳未満の人にはあまりみられないがんです。症状としては、血の色を目で認識できる血尿が最も一般的で、頻尿や排尿時痛といった膀胱炎のような症状が出ることもあります。

ごく早期には、内視鏡でがんのみを切除、広がっている場合は膀胱の全摘除

膀胱がんが疑われた場合は、膀胱鏡(内視鏡)検査や尿細胞診検査、各種画像検査などが行われます。膀胱がんと確定し、がんの広がりや特性などを確認したのち、患者さんの状態などを考慮して治療法が決定されます。

がんが筋肉層や他の臓器まで広がっていない(筋層非浸潤性がんの)場合は、主に経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)が行われます。これは、専用の内視鏡を使って、電気メスでがんを切除する方法です。筋性浸潤性がんでは、膀胱全摘除術が行われます。一般的に、男性では前立腺と精のうを含めて膀胱を摘出し、尿道を摘出することもあります。女性では、子宮と腟壁の一部に加え尿道も摘出することが多くなります。また、骨盤内のリンパ節郭清も行います。

なお、一部の医療機関に限られますが、手術支援ロボットを使った膀胱全摘除術が行われており、2018年4月から保険適用となりました。従来の腹腔鏡下手術よりも精度と安全性の高い操作が行えるため、体への負担が少ない治療法として期待されています。

膀胱全摘除術のあとは、さまざまな方法で、尿の出口を新たに作ったり、小腸などを使って膀胱に代わるものを造設するなどします。

また、手術のほかに抗がん薬治療や放射線治療のほか、膀胱内注入療法(抗がん薬やBCGという薬剤を、カテーテルを利用して膀胱に注入する治療法)も行われることがあります。

男性の膀胱がんの半分以上は、喫煙が原因。特定の危険物質もリスク要因

膀胱がんの原因として明らかになっているのは、喫煙です。男性の膀胱がんの50%以上、女性の約30%は喫煙のために発生するとされています。また、特定の危険物質(ナフチルアミン、ベンジジン、アミノビフェニルなど)にさらされることもリスク要因となります。

特に男性で、喫煙者や喫煙歴のある人、職業などで上記の危険物質にさらされた人などは、血尿がないか注意し、気になる場合は泌尿器科や腎臓内科などを受診しましょう。