文字サイズ

食道がんは、喫煙・飲酒している男性は高リスク。ごく早期なら内視鏡治療が可能

食道がんは、喫煙・飲酒している男性は高リスク。ごく早期なら内視鏡治療が可能

食道がんは男性に多く、50歳代から増加し70歳代がピーク

今月(2019年2月)中旬、60代前半の男性タレントが、昨年末に食道がんの手術を行っていたことを公表しました。昨年11月の健康診断で見つかり、ごく初期であったために内視鏡治療で切除。抗がん薬治療なども必要なく、退院して以来、仕事にも生活にも影響なく過ごしているとのことです。

食道がんは、罹患率(1年間に新たに診断される率)が10万人あたり男性30.8人、女性5.6人と、男性に多いがんです。50歳代から増え、70歳代でピークを迎えます

食道がんの主な発生要因は喫煙と飲酒であることがわかっており、特にどちらの習慣もある人は、よりリスクが高まるため、注意が必要です。

*国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」の「地域がん登録全国合計によるがん罹患データ」2014年による

治療は内視鏡治療のほか、手術や放射線治療、化学療法がある

食道は、のどと胃の間をつなぐ長い管のような臓器で、食道がんはそのどこにでも発生する可能性があります。日本人の場合は、約半数が食道の中央付近にでき、その次に食道の下のほうに多くできます。食道内に、いくつも同時にできることもあります。

食道がんは食道の内面をおおう粘膜の表面から発生し、大きくなると外側へ広がっていきます。がんの進行の程度(病期)は、がんが粘膜内にとどまっているか、粘膜のすぐ下の粘膜下層にとどまっているか、それより深い層まで及んでいるか、食道周囲にまで広がっているか、あるいは離れたリンパ節や他の臓器などに転移しているかなどの組み合わせによって決まります。

治療法としては、内視鏡で切除する内視鏡治療や、食道と胃の一部を切除した後に食物の通り道を新しく作る手術、放射線治療、抗がん薬を使う化学療法、それらの併用療法などがあります。粘膜にとどまるごく早期のがん(0期)では、内視鏡治療で食道を温存できる可能性があります。Ⅰ期~Ⅲ期では手術、Ⅳ期では抗がん薬と放射線を組み合わせる化学放射線療法か化学療法単独での治療が行われることが多くなりますが、いずれの場合も、患者さんの希望や体の状態などを考慮して決定されます。

食道がんは健康診断や人間ドックの内視鏡検査などで見つかる

食道がんには、国で定期的に受けるよう勧められている検診はありません。定期健康診断や人間ドックなどの機会に、内視鏡検査や、バリウムを使った上部消化管造影検査で見つかることが多くなります。

また、初期にはほとんど自覚症状がありません。進行すると、飲食物を飲み込んだときの胸の違和感や、飲食物がつかえるような感じ、体重の減少、胸や背中の痛み、声のかすれ、咳といった症状が出るようになります。それらの症状は、他の病気でも見られることがありますが、症状が気になる場合は早めに医療機関を受診して、食道を含めた検査を受けるようにしましょう。