自転車に乳幼児を乗せて走る際は、ルールを守って事故予防を
5年間で1,000人以上の乳幼児が、自転車の幼児用座席から転落
未就学児のいる家庭では、保育所入園等で、今春から新たに幼児同乗自転車(幼児用座席付き自転車)を利用する、あるいは利用の機会が増えるという人も多いでしょう。しかし、幼児同乗自転車は、昨年(2018年)も死亡事故が報道されたように、使用中の転倒・転落などによる事故が後を絶ちません。東京消防庁管内だけでも、2013~2017年の5年間に1,046人もの乳幼児(0~5歳児)が、自転車の幼児用座席から転落するなどして救急搬送されたことがわかっています。なお、そのうちの約9割が顔や頭に傷を追っていました(東京消防庁防災部防災安全課「救急搬送データからみる日常生活の事故」、平成29年データによる)。
消費者庁では、「通常の自転車よりも重い上に、更に子どもを1人又は2人乗せるため、
走行中や停車中にバランスを崩して転倒や転落する」として、幼児同乗自転車の事故について注意喚起しています。利用の際は、必ず下記のようなルールを守り、確実な事故防止策を行いましょう。
幼児同乗自転車を利用する際のルールとポイント
・適した自転車を選ぶ
自転車を購入する際は、BAAマーク(一般社団法人自転車協会交付。自転車業界で定めた安全基準に合格した自転車に貼付される)が付いているかどうかを見るとよいでしょう。16歳以上の運転者が幼児2人を乗せる場合には、「幼児2人同乗基準適合車」(運転者のための乗車装置および2つの幼児用座席を設けるために必要な特別の構造または装置を有する自転車)のマークが付いているものを選ぶようにしましょう。
また、幼児用座席は、万一転倒したときに頭部を保護できる性能の高い「ハイバック型」を選ぶとよいでしょう。
・子どもにヘルメットやシートベルトをさせる
道路交通法により、13歳未満の子どもには、保護者がヘルメットをかぶせるように努める必要があります。子どもの頭に合った形の自転車用ヘルメットを正しく着用させましょう。大人もヘルメットを着用すると安心です。さらに、幼児用座席ではシートベルトを装着させましょう。
・子どもの年齢、人数、乗せ方のルールを守る
同乗させられる幼児は6歳未満、というルールを守りましょう。また、乳児をいわゆる「抱っこひも」で抱っこして自転車に乗る、あるいは幼児を前後に1人ずつ乗せたうえでもう1人をおんぶなどで乗せる行為は危険な事故につながりやすく、東京都の道路交通規則などでは禁止されています。自治体の道路交通規則を確認し、それを守りましょう。
・転倒しないように十分注意する
自転車本体と子どもの重さでバランスを崩しやすいため、走行時だけでなく、手で押して歩く際にも注意が必要です。路面の凹凸や自動車、歩行者などにも気を配って走りましょう。
・停車して降りる際はスタンドにロックをかけ、子どもを乗せたまま離れない
乗降時は平らな場所に停め、スタンドにロックをかけましょう。スタンドを立てた状態で子どもを乗せたまま自転車を離れたり、目を離したりしないようにしましょう。
・交通規則を守る
見通しが悪い交差点では徐行・一時停止・安全確認する、車道を走る際には左側を走る、進路変更時は必ず後方も確認する、歩道は歩行者優先で車道寄りを徐行するなど、自転車の走行ルールを守りましょう。
・定期的に自転車の整備や点検を
自転車のブレーキの効き、タイヤの空気圧、幼児用座席の不具合の有無などをチェックしましょう。定期的に自転車販売店などで点検を受けると安心です。