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熱中症での救急搬送者は1カ月で3,000人超! 職場でも家庭でも要注意

熱中症での救急搬送者は1カ月で3,000人超! 職場でも家庭でも要注意

5月下旬には4名の死亡者も。6月は平年以上の暑さが予想され、警戒が必要

総務省消防庁によると、今年(2019年)の4月29日~5月26日までに、全国で熱中症により救急搬送された人は、速報値で3,354人に上り、昨年同期(2018年4月30日~5月26日)の確定値2,078人のおよそ1.6倍となっていました。

さらに、そのうち6割(2,053人)は、急に気温の高くなった5月20~26日に救急搬送されており、死亡者も4名出ています。同1週間の救急搬送者の年齢区分の内訳をみると、高齢者が最も多く43.7%を占め、次いで成人30.1%、少年24.5%、乳幼児1.7%となっていました。発生場所は、住居が26.6%、教育機関が17.4%、公衆(屋外)が16.8%、道路が16.8%などです。

気象庁が5月30日に発表した「1カ月予報」では、「全国的に暖かい空気に覆われやすいため、向こう1カ月の気温は高く、期間の前半は気温がかなり高くなる見込み」とされており、全国的に平均気温は平年より高く、降水量は平年並みか少ない地域が多くなっています。屋内外を問わず、ますます熱中症への警戒が必要です。

昨年の「職場における熱中症による死傷者数」は1,178人、過去10年で最多

また、厚生労働省では、職場で熱中症により死亡した人や、休業4日以上となった人の数や発生状況を「職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)」として報告しています。

猛暑となった2010年(平成22年)に656人となった以降、毎年400~500人で推移していましたが、今年5月に発表された、昨年(2018年)の報告(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04759.html)では、死傷者数1,178人(うち死亡者数28人)と、前年の2倍以上、過去10年で最多となっています。

過去5年間の発生状況を見ると、月別では約9割が7月および8月に発生しており、業種別では、死傷者数も死亡者数も建設業で最も多くなっています。また、警備業、製造業、運送業でも増加傾向にあり、昨年は屋内作業での増加が目立ちます。

なかでも、昨年職場における熱中症で亡くなった28人の状況の分析では、

  • 暑さ指数(WBGT)が基準値を超え、熱中症の発生リスクが高まっていたと推測される
  • 作業環境の正確な把握や作業計画の変更を行わなかったと考えられる事例がみられる
  • 重篤な熱中症の兆候が見られた労働者の救急搬送が遅れた事例がみられる
  • 日ごろから健康診断や体調把握などの事業場における健康管理を適切に実施していない事例などがみられる

とされています。事業所での熱中症予防策や管理体制などの強化とともに、各労働者自身も毎年健康診断を受ける、日々体調を把握するなど、自身の健康管理に気を配ることが重要といえます。

*暑さ指数(WGBT):気温、湿度、日射・輻射(ふくしゃ)、風の要素を考慮した、熱中症の起こりやすさを予測する指標

暑さに体を慣れさせ、暑さ指数チェックや水分補給の習慣で本格的な夏に備えよう

本格的な夏を迎える前のこの時期には、熱中症予防として、一人ひとりが「暑さに体を慣れさせる(暑熱順化)」を心がけておくことが大切となります。

熱中症予防には、梅雨前から運動や入浴で“暑さ慣れ”を!」を参考に、運動や入浴で十分な汗をかけるようにするトレーニングを行いましょう。また、環境省などで発表している「暑さ指数(WBGT)の実況と予測」を確認する習慣や、こまめに水分をとる習慣を、今から身につけておきましょう。