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感染が広がる「手足口病」、過去10年で最多ペース

感染が広がる「手足口病」、過去10年で最多ペース

6月後半に警報レベル超え

子どもがかかりやすい夏かぜの一つ「手足口病」が、全国的に流行しています。

国立感染症研究所によると、全国約3,000カ所の小児科定点医療機関を受診した患者数は、5月20日~26日の1週間で1医療機関当たり1.54人。流行入りの目安となる1人を突破しました。6月17日~23日の1週間で警報レベルの5人を超え、その後も患者数は増加しています。この時期としては、過去10年で最多のペースで感染が広がっています。

口の中や手足に発疹ができる。多くは軽症だがまれに合併症も

手足口病は、口の中や手足などに2~3mmの水疱(すいほう)性の発疹(ほっしん)ができる感染症で、5歳以下の乳幼児を中心に、例年夏に流行します。

原因となるのは、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスです。一部の患者さんで発熱が見られますが、通常はあまり高くなりません。数日で治ることが多いものの、まれに髄膜炎や脳炎などの合併症が起こることがあります。また、原因となるウイルスの種類によっては、手足口病の症状が治まってから1カ月以内に、手足の爪がはがれることがありますが、自然に治るとされます。

感染予防の基本は手洗い。タオルの共用はNG

手足口病は、感染した子どもの咳やくしゃみなどのしぶき、便などを介して感染が広がります。また、治った後も数週間程度便にウイルスが排出されるほか、感染しても発病せず、ウイルスを排出している場合があるとされています。

有効なワクチンはなく、手足口病を予防するには、帰宅後や食事の前、トイレの後などに流水と石けんで手を洗うことが大切です。また、タオルの共用も避けましょう。

手足口病の特効薬はなく、治療は症状に応じた対症療法となります。

口の中に発疹ができると、痛みのために食事や水分をとるのが難しい場合があります。こまめに水分を補給し、ゼリーやプリン、ヨーグルト、豆腐など、のどごしがよいものを食べさせましょう。おかゆや雑炊、うどんはのどごしがよいですが、熱いものは刺激になるので、冷ましてから食べさせてください。

まったく水分がとれず、おしっこが出ない、ぐったりしているなどの症状が見られたら脱水の恐れがあります。すぐに医療機関を受診するようにしてください。

ヘルパンギーナとプール熱も夏かぜの代表

ヘルパンギーナと咽頭結膜熱(プール熱)も、子どもがかかりやすい夏かぜの代表です。保育園や幼稚園などであっという間に感染が広がることも珍しくありません。

ヘルパンギーナでは、突然38~40℃の発熱が出て、のどが赤く腫れて水疱ができます。咽頭結膜熱は、38~39℃の発熱、のどの痛み、結膜炎といった症状が現れます。プールで感染することがあるため「プール熱」とも呼ばれますが、プール以外の場所でもうつります。

いずれも手足口病同様、特別な治療法はありません。安静とこまめな水分補給を心がけましょう。