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早期発見で生存率が格段に上がるがん。定期的にがん検診を受けよう

早期発見で生存率が格段に上がるがん。定期的にがん検診を受けよう

全国のがん拠点病院などによる、ステージや治療方法などの最新情報を集計

今月(2019年12月)中旬、国立がん研究センターが「がん診療連携拠点病院等院内がん登録」の2018年全国集計報告書を公表しました。

これは、全国828施設(がん診療拠点病院等と、都道府県に推薦された病院、小児がん拠点病院、任意参加の施設)で2018年の1年間にがんと診断された患者さんの、診療情報を集計したものです。「がんの種類、進行度(病期)、その治療の分布を把握し、国や都道府県のがん対策に役立てること等」を目的に集計しており、今回で12回目の報告となります。

胃、大腸、乳房、肝臓、肺の5部位のがんに加え、食道、膵臓(すいぞう)、子宮頸部、子宮体部、前立腺、膀胱、喉頭、胆嚢(たんのう)、腎、腎盂(じんう)尿管について、診断時の臨床病期(ステージ)や、ステージ別の治療方法などが集計されています。

5年生存率が最も高いのは前立腺がん、最も低いのは膵臓がんで変わらず

また、同センターでは同時に、がん診療連携拠点病院等院内がん登録の2013年データを用いた3年生存率、2010~2011年データを用いた5年生存率も公表しています。それによると、全がんの3年相対生存率は72.4%と、前回調査よりも3ポイント上昇していました。同様に5年相対生存率も66.4%と、3ポイントの上昇がみられました。なお、診断時の年齢は70歳代が最多で、約半数が70歳代以上となっていました。

なお、5年生存率は今回初めて喉頭、胆嚢(たんのう)、腎、腎盂(じんう)尿管のがんについても集計されています。

部位別に見ると、5年後の生存率が最も高かったのは前立腺がん(98.8%)で、次いで女性の乳がん、子宮体がん、咽頭がん、腎臓がんの順となっており、いずれも8割を超えています。子宮頸がんや大腸がん、胃がんも7割を超えていました。

一方、生存率が最も低かったのは膵臓(すいぞう)がん(9.8%)で、次いで胆嚢がん(29.3%)、肝臓がん(40.4%)となっています。

*相対生存率…がん以外の死因による死亡などの影響を取り除いた生存率

早期かどうかが生存率に大きく影響。必要ながん検診を受けているか確認しよう

同報告書では今回初めて、胃がん、大腸がん、肝臓がん、肺非小細胞がん、女性の乳がんについて、年齢・ステージ別に生存率を集計した特別集計を行っています。

それによると、Ⅰ期では5年生存率95%を超える大腸がん、女性の乳がん、子宮頸がんでも、Ⅲ期になると、それぞれ76.6%、80.6%、62.0%にまで下がってしまうことがわかりました。同様に胃がん、肺がんもⅠ期ではそれぞれ94.7%、81.6%となっていますが、Ⅲ期では45.7%、22.6%と、大きく下がってしまっています。

生存率は、患者さんの年齢や体の状態、進行状態、治療など、さまざまな条件によって異なることを考慮する必要はありますが、やはりできるだけ早期に発見することが重要であると考えられます。

前述のがんは、いずれも厚生労働省において、科学的根拠に基づいて定期的ながん検診受診が推奨されている部位です。子宮頸がんは20歳以上対象で年1回、肺がんおよび大腸がんは40歳以上対象で年1回、乳がんは40歳以上対象で2年に1回、胃がんは50歳以上対象で2年に1回の受診が推奨されています。今年度自分が受けたかどうかを振り返り、受けていない場合は早めに受診を検討しましょう。