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1月は高齢者の「餅による窒息事故」が最多! 子どもが食べるときも注意

1月は高齢者の「餅による窒息事故」が最多! 子どもが食べるときも注意

餅を含む「不慮の窒息」で亡くなる高齢者は年間8,000人、交通事故死の3倍以上

1月は、雑煮や餅つき・鏡開きといった日本の風習にあわせて、家庭やイベント等で餅を食べる機会が多くなります。しかし、それに合わせて高齢者の餅による窒息事故も急増します。

東京消防庁の月別救急搬送人数のデータ(2014~2018年)によると、餅による窒息で救急搬送された65歳以上の人は11月から増え始め、12月は63人と夏季の4倍以上。そして1月は160人と突出して多くなっています。

高齢者は、歯や口の機能が衰え、噛む力や飲み込む力が弱くなっていることが多いため、食べ物を小さく噛み砕き、スムーズに喉の奥へ送って飲み込むことが難しくなっています。さらに、喉に食べ物が詰まりかけたとき、人間の体は通常咳き込んで出そうとしますが、高齢になると咳などで押し返そうとする力も弱くなるため、窒息してしまいやすいのです。

餅を含むなんらかの誤嚥(ごえん、飲み込んだ飲食物が誤って気道に入ってしまうこと)等の不慮の窒息で亡くなる人は、2009~2018の10年間横ばい傾向です。2018年の死亡者数をみると交通事故(2,646人)、自然災害(2,464人)の3倍以上の8,000人にものぼっており(厚生労働省「人口動態調査」上巻による)、注意が必要です。

高齢者・子どもには「小さく切る」「先にお茶や汁物を」「少量ずつよく噛んで」

餅は、噛み切りにくい、口の中でくっつきやすい、米飯やパンに比べ食べ慣れないなどの理由で、窒息事故が起きやすい食品です。子どもも餅により窒息するケースがあるため、高齢者や子どもに餅を提供する際には、周囲の家族が以下のような点を守りましょう。

●餅を小さく切っておく
高齢者や子どもには、調理段階で食べやすい大きさに切ってから提供しましょう。

●先にお茶や汁物で喉をうるおす
特に高齢者は唾液が少ないので、餅を食べる前にお茶や汁物を勧めて喉をうるおしておくようにしましょう。ただし、うまく飲み込めないときにそれらで流し込もうとするのは危険なので、よく見守りましょう。

●ゆっくりとよく噛んで飲み込む
少量ずつ口に入れて、よく噛んで食べると、餅と唾液が混ざり合ってスムーズに飲み込めるようになります。また、口の中の餅を飲み込み終えてから、次の餅を口に入れるようにしましょう。

●食べながら眠る・歩き回る・寝転ぶなどを避ける
子どもや認知症の高齢者などが、食事中に眠くなったり歩き回ったり寝転んだりすると、誤嚥・窒息の危険が高まります。必ず、大人や介護者がそばで見守るようにしましょう。

(消費者庁資料より作成)

「チョークサイン」や言動、顔色などに注意し、すぐに救急へ通報を

誤嚥や窒息が起こった場合には、次のような様子の変化が現れることが多くなります。

  • 苦しそうに喉をつかむ仕草をする(特有の「チョークサイン」という動作)
  • 急に話が止まり、静かになる
  • 呼びかけへの反応がなくなり、表情がうつろになる、顔色が悪くなる

窒息が疑われる場合は、ためらわずにすぐ救急車を呼びましょう。そして、救急車の到着を待つ間に、異物除去の応急手当を行うことも重要です。日本医師会の「救急蘇生法」のページを参考に、腹部突き上げ法や背部叩打法(妊婦や乳児には背部叩打法のみ)を実施しましょう。