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中国で新型ウイルスによる肺炎が発生。渡航者・帰国者は咳や発熱に注意

中国で新型ウイルスによる肺炎が発生。渡航者・帰国者は咳や発熱に注意

中国の41名の肺炎患者、タイ渡航中の中国人から新型コロナウイルスが検出

中国の湖北省武漢(ぶかん/ウーハン)市で、昨年(2019年)12月以降、原因不明の肺炎が多数報告されています。今月(1月)11日、武漢市政府は、41名の肺炎患者に新型コロナウイルスが発見され、うち1人が死亡、7人が重症と発表。同13日にはタイにおいて、渡航中の中国人女性から新型コロナウイルスが発見されたと発表されました。

中国当局は「このウイルスは一部の患者に重度の症状を引き起こす可能性があるが、ヒトの間では簡単に感染しない」と発表しています(外務省海外安全ホームページによる)。

これまで発生したSARS、MERSなどとは異なる種類の肺炎ウイルス

コロナウイルスには、いくつかの種類があり、そのうちの4種類は日常的にヒトに感染し、かぜの原因となっています。通年10~15%(流行期35%)のかぜがコロナウイルスによるものであり、ほとんどの子どもが6歳までに感染を経験します。感染しても多くは軽症で済みますが、高熱を引き起こす場合もあります。

一方、重症の肺炎を起こしやすいのが、2002~2003年に中国広東(カントン)省で発生した重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルスと、2012年に中東(アラビア半島とその周辺地域)で発生し、現在も感染者がみられる中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスです。前者はコウモリ、後者はヒトコブラクダのもつウイルスが遺伝子変異してヒトに感染したと考えられています。いずれも、特に高齢者や心臓病、糖尿病などの基礎疾患をもっていた患者さんが重症となり、死亡例も多くみられました。咳や飛沫(ひまつ、咳やくしゃみをしたときなどに口から飛び散るしぶき)、接触によって感染が広がり、感染者の中には1人で多数の人に感染を広げる「スーパースプレッダー」もいたために、流行が広まったとされています。

WHO(世界保健機構)は、今回発見されたコロナウイルスは上記とは異なる種類の新型コロナウイルスが検出されたと発表しています。

流行地域への渡航は極力避ける。帰国時に咳や発熱があれば検疫官に申告を

1月14日現在、日本国内でこのウイルスによる肺炎患者は発生していません。そのため、厚生労働省は、「過剰に恐れることなく、インフルエンザと同様に手洗いや『咳エチケット』で感染予防を」とのように呼びかけています。

成田空港などでは、入国する人全員に対し、体の表面の温度がわかるサーモグラフィーによる発熱の有無の確認を行うとともに、武漢市などの流行地域からの帰国者で咳や発熱などの症状がある場合には、検疫官に申し出るよう呼びかけています。流行地域からの帰国後に、前述のような症状が出た場合は、マスク着用のうえで、すみやかに医療機関を受診して渡航歴を申告するようにしてください。

また、今後流行地域への渡航予定がある人は、今後の報道や、随時更新される外務省海外安全ホームページおよび厚生労働省検疫所FORTHなどで情報収集を行い、不要不急の渡航は控えるように心がけましょう。